エマニエル夫人(1974/仏/94分) 映画の感想
エマニエルは外交官の夫に会うためにタイに向かう。夫ジャンはパリで彼女が浮気をしなかったかと尋ねる。彼女はなかったと答えるが、途中の飛行機の中で二人の男と情事を交わしていた。タイで彼女はビーという考古学者の女とレズビアンの関係になる。性を巡って夫や知人との関係が複雑化するなか、エマニエルはマリオという老紳士の元に向かい夫婦の関係や通常の情事を超越した性の神髄を学ぶ…。
エマニュエル・アルサン(女流作家)の小説『エマニュエル夫人』をファツション写真家のジュスト・ジャカンが映画化した「ソフトパルノ」。主演は本作への出演で世界的名声を得、エロチック映画のアイコンとなったシルビア・クリステル。通常の夫婦関係を超えた性、レズビアン、ソアトフォーカスの美しい映像、ムーディな音楽や主題歌(サイコー)、アンニュイな雰囲気、アジアを舞台にしたエキゾチズム、性をめぐる独特の哲学、そしてなによりも主演のシルビア・クリステルの魅力によって注目され、世界的ヒットを記録し、女性の性の解放にも少なからず貢献したとされる歴史的なエロ映画。私的には監督のジュスト・ジャカンの、文芸エロ小説を原作に、一般的に低俗とされるポルノを精魂込めて「審美的」に「芸術的」に撮ろうとした彼の映画人生を私は高く評価している(作品としての評価はともかく)。
シルビア・クリステルのヌード
主演のシルビア・クリステルは少女のような見た目で(身長は174cmらしいが!)、レズビアンを演じているシーンなどでは中性的な魅力も感じる。従来のポルノ女優からは一線を画する容貌と雰囲気で、そこが彼女の新しさでもあったのだろう。有名な籐の椅子に座るラストの彼女の姿がなんとも美しい。出演者全員が発情しているエロ映画なので、全編がエロシーンといっても過言ではないが、過激さは当時も今の基準でもそれほどではない。ただタイ人の女の子のシーンなど倫理的にいかがなものかなやばいシーンが一部ある(このシーンは監督のあずかり知らないものともいうが)。マリカ・グリーン、クリスティーヌ・ボワッソンらもヌードを見せている。
Emmanuelle 1 – Opening & closing theme YouTube
続エマニエル夫人(1975/仏/83分) 映画の感想
エマニエルは香港にいる夫のもとに向かうため船旅をしている。彼女はその船内で乗り合わせた女と情事を交わす。香港についたエマニエルは自由な愛を公言する夫ジャンによって、様々な性的体験を重ねていく。そしてエマニエルとジャンは処女であるアンナ・マリアと交友を深め、彼女に性の導きを施そうとするが・・・。
大ヒットした『エマニエル夫人』の正式な続編扱いだが、シルビア・クリステル以外の出演者は一新され話は全く繋がっていない。監督はフランシス・ジャコベッティ。通常の夫婦関係を超えた性、美しい映像、ムーディな音楽や主題歌(フランシス・レイの音楽と主題歌が神がかっている)、アジアを舞台にしたエキゾチズムなどは前作を踏襲し、それらは一部では前作を上回っているが、アンニュイな雰囲気、性をめぐる独特の哲学は希薄なものとなっており、エロシーンは非常に美しく撮られているがジュスト・ジャカンのような独特の「審美性」はなく、前作に比べかなりライトな作品に仕上がっている。
Emmanuelle 2 – Opening & closing theme YouTube
シルビア・クリステルのヌード
特筆すべきはシルビア・クリスタルの美しさで、当時の彼女は美の絶頂にあり、そんな彼女の美しい映像(構図が素晴らしい)と音楽のなかで繰り広げる中身のないエロのためだけのエロシーンがふんだんに収められた本作はある意味エロ映画の頂点といえる。『続エマニエル夫人』にはマッサージ室のシーンに、『エマニエル夫人』のバッタもんである「ブラック・エマニエルシリーズ」で有名なローラ・ジェムサーが出ており、ヌードを見せている。
続く『さよならエマニエル夫人』(1977)も前二作とほとんど変わらない内容の作品だが、主演のシルビア・クリステルの女優としての魅力に明らかに衰えがみえ、裸を晒す映画だけに、時の流れの残酷さをいっそう顕著に感じさせるものとなっている。本作は一応完結編を意図して製作されている。
シルビア・クリステルが出演する「エマニュエルシリーズ」第四作『エマニュエル』(1984)は、エマニエル(エマニュエル)が整形手術を施して若返り処女になるというトンでも映画だが、若返ったエマニュエルを演じるミア・ニグレンがものすごい美人で一見の価値はある。
エマニエル夫人 ウィキペディア
エマニエル夫人 IMD
エマニエル夫人 シルビア・クリステルのヌード画像へのリンク
続エマニエル夫人 シルビア・クリステルのヌード画像へのリンク
さよならエマニエル夫人 シルビア・クリステルのヌード画像へのリンク
エマニュエル ミア・ニグレンのヌード画像へのリンク
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Trinacra Films Orphée Productions Parafrance Films Cannon Films
プライベート・レッスン(1981/米/87分) 映画の感想
裕福な家の息子の15歳の少年フィリーは、性に興味津々だがまだ女の子とエッチをしたことがない。そんな彼の屋敷にセクシーなフランス人のメイドマロウがやってくる。ある日フィリーの父親が旅行に出、屋敷には彼とマロウと運転手のレスターだけが残される。レスターはマロウにフィリーを誘惑するようにそそのかし、マロウはフィリーにモーションをかけるが・・・。
『エマニエル夫人』の大ヒットにより世界的な名声を得たシルビア・クリステルが主演した少年の初体験を描いたエロチック映画。監督は『ポリス・アカデミー5 マイアミ特別勤務』のアラン・マイヤーソン。撮影は『スピード』のヤン・デ・ボン。たわいもない映画であるが、見せ場を心得たエッチなシーンの他にも笑いありアクションあり少年の成長要素もちょっぴりありで、観客の求めているものに率直に答えた娯楽映画で普通に楽しい。日本でもそれなりに話題になり、1993年には稲垣吾郎主演でアイドル映画路線でリメイクもされた。イタリア映画の『青い体験』など少年の初体験物の映画は娯楽映画として楽しく文化人類学的な観点(おおげさではなく)からも興味深く私は好きなジャンルだが、当時17歳だったフィリー役のエリック・ブラウンがそれ以上に幼く見え、大人と未成年との性行為をリアルに描いているという事ではこういう映画も昨今では製作しづらくなっている。
シルビア・クリステルのヌード
当時20代後半だったシルビア・クリステルがセクシーで美しい。というかこれは彼女の稀有な才能だが、エロチックな場面は彼女の独壇場で、そういうシーンになると途端に魅力を増すのだ。エロ映画なのでもちろん彼女の裸のシーンは多いが、一部はボディダブルだともいう(私は気づかなかった)
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プライベート・レッスン IMD
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Jack Barry & Dan Enright Productions Jensen Farley Pictures
チャタレイ夫人の恋人(1981/英/仏/独/米/104分) 映画の感想
クリフォード・チャタレイ男爵と結婚し、貴族の妻となったチャタレイ夫人(コニー)。しかし夫はまもなく第一次世界大戦に出兵し負傷して下半身不随となってしまう。夫との性生活を望めなくなったチャタレイ夫人は性欲をもてあますが、そんな彼女は労働者階級の森番オリヴァー・メラーズに惹かれ肉体関係を持ってしまう・・・。
本国イギリスでも日本でも猥褻小説と評され裁判が起こされ議論を生んだD・H・ローレンスの小説を『エマニエル夫人』や『O嬢の物語』のジュスト・ジャカンが映画化した文芸エロス映画。チャタレイ夫人役は、『エマニエル夫人』への出演で一世を風靡したシルビア・クリステル。子供の頃にテレビでこの作品を親の目を盗んで観たときには理解できていなかったが、改めて観ると階級問題や、逞しい労働者階級の男と性的不能者の貴族との対比、女性のリアルな性やその解放などを描いた原作小説の素晴らしさを強く感じた。写真家出身で、雰囲気重視のエロチックな映画の監督との印象の強いジュスト・ジャカンだが、『エマニエル夫人』に『O嬢の物語』に本作と、話題性の強いエロッチックな小説や物語を映像化することにおいて一貫性があり、ソフトフォーカスの美しい映像や幾分気だるげな音楽などが相まって独特の文芸エロスの世界を生じさせるその特異な手腕は評価に値する(とくにこのようなサイトにおいては)。本作ではそれとは別に『エマニエル夫人』や『O嬢の物語』ではあまり注目されていない彼の人物や世相風俗の描写の演出の巧みさが発揮され、原作の持ち味がいかんなく引き出されていて素晴らしい。個人的には『エマニエル夫人』と『O嬢の物語』と本作はエロチックな映画ジャンルの中においては上位に位置する作品だと思う。
シルビア・クリステルのヌード
シルビア・クリステルとかく裸ばかりが話題にされる女優だが、本作では非常に複雑な役柄を繊細に大胆に演じていて、彼女の独壇場であるエロチックなシーンも含めて見事で、彼女の女優としての実力と魅力がいかんなく発揮されている。
チャタレイ夫人の恋人 ウィキペディア
チャタレイ夫人の恋人 IMDb
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Cannon Films Columbia Pictures
シルビア・クリステルがヌードになった映画
シルビア・クリステル(Sylvia Kristel、1952年9月28日 – 2012年10月17日)は、オランダ・ユトレヒト出身のファッションモデル・映画女優。
1972 処女シルビア・クリステル/初体験 Frank en Eva
1974 エマニエル夫人 Emmanuelle
1974 卒業試験 Es war nicht die Nachtigall
1974 暴かれたスキャンダル Un linceul n’a pas de poches
1975 続エマニエル夫人 Emmanuelle l’antivierge
1975 危険な戯れ Le Jeu avec le feu
1976 夜明けのマルジュ La marge
1977 華麗な関係 Une femme fidèle
1977 さよならエマニエル夫人 Goodbye Emmanuelle
1978 ルトガー・ハウアー&シルビア・クリステルの ミステリーズ Mysteries
1979 ピンクのルージュ Letti selvaggi
1981 プライベイトレッスン Private Lessons
1982 チャタレイ夫人の恋人 Lady Chatterley’s Lover
1985 シルビア・クリステルの ディープレッスン The Big Bet
1985 魔性の女スパイ Mata Hari
1985 レッド・ヒート Red Heat