ナインハーフ(1986/米/117分) 映画の感想
アートギャラリーで働くエリザベスは、ウォール街の金融ブローカーと出会い、半ばレ〇プされるような形で彼と結ばれる。その後もジョンは、彼女に精神的にも肉体的にもサディスティックな行為を強要してくるが、エリザベスは彼に惹かれ二人の関係は深まる。しかし彼女はジョンに惹かれる一方で彼との関係で次第に精神的に追い詰められていき・・・。
偶然出会った画商の女と謎の男との短い期間(9½ Weeks)における愛と別れを描いたエロチックドラマ。監督はエイドリアン・ライン。ミッキー・ローク、キム・ベイシンガー共演(二人の代表作と言っていいだろう)。本作については映像ばかりが美しく中身のない映画と批判する意見も見られるが、その後の『危険な情事』『ロリータ』『運命の女』などと同じく悲劇的な男女の愛の顛末が、その見た目とは裏腹に意外なほど繊細に描かれ、物語にも監督の演出にも含蓄があり、決してその批判にはあたらない。映像の美しさについてであるが、本作がアメリカ映画史において重要な作品であることの理由の一つは、美男美女の起用、陰影が強調された美しいライティング、音楽を多用したミュージックビデオ風の映像などによって、映画の表現に革命を起こしたところにある。それによって泥臭い70年代のアメリカンニューシネマの残滓はアメリカ映画から一時期完全に払しょくされた(それが良いことか悪いことかは別にして)。いわば極度に〝中身のない〟ように見える美し映画を作ったことがむしろ『ナインハーフ』の評価されるべき部分なのである。海外では、ミッキー・ロークとキム・ベイシンガーが演じたカップルが、映画史上のベストカップルやらベストセックスシーンの常連であることからも、本作の評価の高さが窺える。
キム・ベイシンガーのヌード
すでに『ネバーセイ・ネバーアゲイン』のボンドガール役などでキム・ベイシンガーのセクシーさは世間の周知するところだったが、本作の出演でそのイメージが決定的となった。美しい自慰のシーン、路地裏でのセックス、音楽をバックにしたストリップなど、彼女のセクシャルなシーンは枚挙にいとまないが、下品さは極力抑えられ、映画の持つイメージとは違い意外にも彼女のヌードシーンもそれほど露骨ではない。また本作では彼女とともにサディスティックでナイーブな男を演じたミッキー・ロークも評判を呼んだ。
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Galactic Films Jonesfilm Producers Sales Organization Triple Ajaxxx MGM/UA
愛という名の疑惑(1992/米/124分) 映画の感想
精神科医のアイザックは心の病に苦しむダイアナという患者を通じて、彼女の姉ヘザーと知り合い恋に落ちる。しかしヘザーは人妻で、悪徳実業家である夫との仲が悪く、ある日酒で病的に「酩酊」した彼女は夫を衝動的に殺してしまう。アイザックは知り合いの弁護士や精神科医の助けを借りてヘザーの「無罪」を勝ち取ろうとするが・・・。
リチャード・ギア、キム・ベイシンガー、ユマ・サーマンが共演したサスペンスドラマ。監督はフィル・ジョアノー。精神分析、法廷闘争、ミステリー、アクション、ラブロマンスなどの要素がほどよくミックスされたよくできた娯楽映画。二転三転するストーリーも見所。演出やテーマにヒッチコック映画へのオマージュが強く感じられる作品。とくに『めまい』の影響が顕著で、本作の舞台は『めまい』と同じサンフランシスコであり、ロケ地も似通っていて『めまい』と同じく灯台がクライマックスの場所となっている(同じ灯台ではない。『めまい』はマットペインティングの灯台で、『愛という名の疑惑』のそれはサンフランシスコ湾に面したピジョンポイント灯台がロケ地)。
キム・ベイシンガーのヌード
キム・ベイシンガーは、リチャード・ギア演じる精神科医と恋に落ちる人妻の役。この頃の彼女は美貌によって男を惑わせる役柄にぴったりのセクシーさで、リチャード・ギアとそこそこ大胆なベッドシーンを演じてヌードを披露している。
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Warner Bros. Roven-Cavallo Entertainment Warner Bros.
ゲッタウェイ(1994/米/116分) 映画の感想
強盗で大金を奪取した夫婦が、痴情のもつれから依頼者である組織のボスを殺してしまう。二人は組織の追っ手と元仲間から大金を抱えたまま逃げるが、メキシコ国境近くのホテルで追い詰められてしまう・・・。
サム・ペキンパー監督、スティーブ・マックイーン、アリ・マッグローが出演した1972年制作の同名映画のリメイク。監督『追いつめられて』のロジャー・ドナルドソン。アレック・ボールドウィン。キム・ベイシンガー共演。前半部分の展開がオリジナルとリメイクとでは全く違う。オリジナルでは前半部分を服役しているマックイーンの淡々とした日常や、出所後の夫婦の抒情的なシーンが占めている。それに対しリメイク版ではありきたりでつまらない囚人脱出計画が描かれる。人間描写が丁寧に描かれたオリジナルの要素がないことで、リメイク版はありきたりな逃走劇になってしまっている。出演時実際の夫婦だったアレック・ボールドウィンとキム・ベイシンガーもピカピカの美男美女すぎて現実感がない。後半はほぼオリジナル通りの展開となり物語に引き込まれるが、全体的に「渋い」アメリカンニューシネマを「甘い」ハリウッド製娯楽映画に変換したといった風で、悪くはないが、オリジナルには到底及ばない作品となっている(あくまでオリジナルのファンの意見です)。
キム・ベイシンガーのヌード
オリジナル版では旦那の長い獄中生活が精神に影響しなかなか愛しえなかった二人だが、リメイク版ではそんなことおかまいなしにとにかく激しく〇っている。キム・ベイシンガーは途中まで逆光やシャワー室の扉越しなどスケベな観客をじらすようなシーンが続くが、ラスト近くでアレック・ボールドウィンと全裸で激しいベッドシーンを演じる。彼女の美しい肢体をあますことなく拝める映画である。
ジェニファー・ティリーのヌード
ジェニファー・ティリーは、『ゲッタウェイ』オリジナル版で脇役ながら強烈なインパクトを発していた旦那を裏切る人妻の役。オリジナル版のサリー・ストラザースと違ってこちらはヌードを披露。
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Largo Entertainment JVC Entertainment The Turman/Foster Company Universal Pictures Largo International
ドア・イン・ザ・フロア(2004/米/111分) 映画の感想
児童作家で画家のテッドは交通事故で息子を亡くし、妻のマリオンとは夫婦生活に隙間風が吹き別居状態だった。その二人の幼い娘ルースは亡くなった兄たちの写真を毎日儀式的に見て回る。テッドに雇われた作家志望のエディは、テッドを尊敬してるが、彼の家庭の副札な現状を垣間見戸惑い、マリオンに惹かれ彼女と肉体関係を持ってしまう・・・。
ジョン・アーヴィングの小説『未亡人の一年』をもとにした文芸映画。成人指定。監督はトッド・ウィリアムズ。作家をジェフ・ブリッジス、その妻をキム・ベイシンガーが演じている。かなりゆったりとしたテンポの作品で、問題を抱えた家族の姿を部外者である学生の視点から主に描くといった構成のトラジックコメディ。登場人物が直接的に感情をぶつけ合うシーンは少なく、家族の心の内の複雑な感情は、登場人物の言動、役者の微細な演技からくみ取る形となる。なかでもジェフ・ブリッジスの演技が秀逸(『ビッグ・リボウスキ』ぽさがある)。ジョン・アーヴィング原作の映画が好きな私は結構楽しめた。
キム・ベイシンガーのヌード
心に問題を抱えた作家の妻を演じたキム・ベイシンガーは出演時50代。見せ方が露骨ではなく上手に撮っていることもあるが50代とは思えない美しい裸。本作が日本で成人指定となっているのは、女性器をリアルに描写した絵(これが一番の要因だと思うが)やヌードデッサンのモデルのアンダーヘア、そしてキム・ベイシンガーの生々しいセックスシーンのためか。
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Focus Features
キム・ベイシンガーがヌードになった映画
キム・ベイシンガー(Kimila Ann “Kim” Basinger, 1953年12月8日 – )は、アメリカ合衆国の女優・『L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー助演女優賞を受賞。『ネバーセイ・ネバーアゲイン』『バットマン』『花嫁はエイリアン』『セルラー』
1986 ナインハーフ Nine 1/2 Weeks Amazon
1992 愛という名の疑惑 Final Analysis Amazon
1994 ゲッタウェイ The Getaway Amazon
2000 永遠のアフリカ I Dreamed of Africa Amazon
2002 8 Mile 8 Mile Amazon
2004 ドア・イン・ザ・フロア The Door in the Floor Amazon
2014 I am here(The 11th hour)