ジェーン・マーチのヌード　愛人/ラマン・薔薇の素顔

愛人/ラマン(1992/英/仏/115分)　映画の感想

フランス領インドシナ、ベトナムに暮らす15歳のフランス人少女は波止場で裕福な華僑の男と出会う。男は彼女を誘い肉体関係を結び、少女は男の「愛人」となる。頭は良いが貧困家庭に暮らし家族の不和にも悩まされていた少女と、決められた人生をただ無意味に生きていた男は「愛人」の関係を超えて愛し合うようになるが、男の父親はその関係を許ず、男に決められた許嫁との結婚を迫り･･･。

フランスの小説家マルグリット・デュラスの自伝的小説を映画化し世界中でヒットし話題となった文芸エロチックドラマ。監督は『薔薇の名前』のジャン＝ジャック・アノー。少女の役にジェーン・マーチ、華僑の男にレオン・カーフェイ。スキャンダルで大胆過激なエロチックな描写が『愛人/ラマン』の一番の売りであるのは間違いないが、本作のヒットするうえで、監督が当時注目され話題作を連発させていたジャン＝ジャック・アノーであったこともその一因となっていたのは間違いない。文芸エロチックドラマと先に述べたが、少し回りくどい表現となるが、本作は文学性とエロスがお互いに効果的に作用しあい、純粋に文芸映画としてみても評価できるし、エロだけを目的としたセクスプロテーション映画としてみても個人的には評価できる作品となっている。そしてそれぞれの見る視点によってこの映画への人々の評価も大きく変わると思われる。個人的には他にフランス人のアジア(インドシナ)への郷愁やエキゾチシズムと結びついたエロスなどが『エマニエル夫人』などとも共通していて興味深く、また文学的要素としては、枯れた鉢植えの植物を少女が憐み水をやるシーンがなにか少女の心情とも絡んでジーンとさせ私のお気に入りとなっている。

ジェーン・マーチのヌード

15歳の少女という設定だが当時のジェーン・マーチは撮影に入ってから18歳の誕生日を迎えている。白人のこの年代の平均的な女の子と比べて劇中の彼女はかなり幼くみえ、15歳という年齢設定にも説得力を与えている。大胆なエロチックシーンの多い映画で、彼女の裸のシーンも多く、設定含めそれらが本作を「合法〇リ」映画にしている。

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薔薇の素顔(1994/米/121・139分)　映画の感想

自分の患者が飛び降り自殺をするのを目撃し精神に傷を負ってしまった精神分析医のキャパは、友人の精神分析医ボブに招かれて彼のセラピーに参加する。しかしボブは何者かに殺されキャパも含め警察はボブの患者に疑いの目を向ける。キャパはボブのセラピーを受け継ぎ犯人を見つけ出そうと奔走する。そんな折キャパはローズという美女と知り合い男女の関係を持つ。しかし彼女には秘密があり…。

当時人気絶頂だったブルース・ウィリスを主役に据え、彼の相手役として『愛人/ラマン』の官能的な役で衝撃的な映画デビューを果たしたジェーン・マーチをハリウッドに招いて制作されたサイコサスペンス映画。監督は『スタントマン』のリチャード・ラッシュ。ウィリスと注目女優のマーチが大胆な濡れ場を演じていることで当時話題となったが、映画の評価は散々なもので、その年の最低映画に贈られる「ラズベリー賞」を受賞した。リチャード・ラッシュは本作を最後に劇場長編映画の制作から退いた。『氷の微笑』が大ヒットした後、二匹目のどじょうを狙って多くのエロ要素満載の犯罪映画が作られたが、本作も間違いなくその一本。『氷の微笑』に肖った他の映画と同様、本作もエロい雰囲気の醸成や刺激的な見せ場や展開を作ろうと頑張りすぎて、映画としてのバランスを著しく損ねてしまっているのが特徴。また犯人に繋がる謎が謎になっておらず、それに気づかない主人公役のブルース・ウィリスがくそ真面目に演技すればするほど「滑稽」にみえ、それがさらに映画としてのバランスをおかしなものにしてしまっている「残念」な映画。

ジェーン・マーチのヌード

『愛人/ラマン』で注目の的だったジェーン・マーチがその直後に出演した映画で、観返してみて彼女の持つ女優としての独特の魅力にあらためて気づいたが、本作への出演が彼女の女優としてのキャリアを著しく損ねたのも確かだろうとも感じた。ウィリスとのラブシーンは映画史に残るものとの評価もあるようだが、エロいというよりも一部のシーンが極めて生々しく、そこだけは確かに印象が残る。

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ジェーン・マーチがヌードになった映画

ジェーン・マーチ（Jane March、1973年3月20日 – ）はイギリスの女優。

1992　愛人/ラマン　The Lover　Amazon
1994　薔薇の素顔　Color of Night
1997　クライング・スパイ　Provocateur