ミスター・グッドバーを探して(1977/米/135分) 映画の感想
テレサは敬虔なカソリックの家庭で育ち、幼い時にポリオを患いその治療を通した「傷」が体にも心にも残っていた。彼女は憧れの大学教授と付き合うが彼と別れ、奔放な生活を送る姉に誘われて窮屈な家を飛び出し、男遊びやドラッグを覚える。その一方で彼女は耳の不自由な子供たちの教師となり、彼ら彼女たちに対して献身的にふるまう。しかし遊び人のトニーと付き合い始めてから彼女の生活はますます荒んでいき・・・。
『暴力教室 』や『熱いトタン屋根の猫』などで知られるリチャード・ブルックス監督による、行きずりの男と毎夜肉体関係を結んでいた女教師が惨殺された事件として話題になった「ロズアン・クイン殺人事件」をもとにした映画。主演のテレサにダイアン・キートン。彼女の姉にチューズデイ・ウェルド、彼女の堅物の恋人にウィリアム・アザートン。また当時売り出し中の役者だったリチャード・ギアやトム・ベレンジャーが彼女の行きずりの男たちの役で出演し強烈なインパクトを残していることでも本作は有名。ウィリアム・アザートンも含めて彼ら若手俳優それぞれの持ち味がギラギラと発揮されていて一見の価値がある。いわゆるウーマンリブ(60~80年代)がまだ勢いがあったころの映画で作中にもそういう描写がある。『結婚しない女(1978)』がそういった時代を背景とした光の側の女性映画としたならばこちらは闇の側の女性映画で、後に「東電OL殺人事件」が起こった時、本作やそのもととなった事件が少し話題になった。私自身はそういった女性映画としてやスキャンダルな要素よりも、本作は女の子が自分の安全な家を離れて外に出て狼に襲われるという「赤ずきん」の童話のごとき元型的な物語になっているところに興味が沸いた。元になった事件と、監督の優れた演出力と、ダイアン・キートンの見事な演技力とが相まって、一人の人物の生き方がじっくりと丁寧にリアルに描写され、観る者が道徳面は置いといて主人公に親しみを覚えた末に待ち受けている残酷な結末は、私にはかなり衝撃的で彼女への同情とともに不条理な恐怖を覚えた。本作はまたラストの惨劇の場面でチカチカとするストロボの明滅が効果的に使われていることでも知られるが(ものすごく怖い)、この映画が最初かどうかは知らないがそれが後の映画に与えた影響も大きい。このように映画史的にも非常に重要な作品であり個人的には傑作だと思う『ミスター・グッドバーを探して』だが、日本ではいまだ配信もなく、ブルーレイはおろかDVDも発売されていない。
ダイアン・キートンのヌード
『アニー・ホール』でアカデミー賞のアカデミー主演女優賞を受賞するというように、ダイアン・キートンが女優としてのりにのっていた頃に出演した作品。私は本作をずっと彼女の若手時代の映画だと錯覚していたが、実際は女優として完成され始めていた頃の作品ということならば、この演技力も納得。
本作における彼女が見せるヌードは、作品のトーンに合ったいわゆる「必然性のある」ヌードシーン。
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恋愛適齢期(2003/米/128分) 映画の感想
レコード会社のオーナとして成功し裕福な暮らしを送る63歳のハリーは、いまだ独身で30歳未満の女性としか付き合わないプレイボーイ。彼は劇作家エリカの娘マリンと交際していたが心臓発作を起こして倒れ、エリカの別荘で療養するはめになる。そうこうするうちに最初は衝突していたエリカとハリーは次第にお互いに惹かれはじめ・・・。
『ハート・オブ・ウーマン 』『マイ・インターン』のナンシー・マイヤーズ監督による大ヒットした熟年の男女が織りなす恋愛コメディドラマ。主演はジャック・ニコルソンとダイアン・キートン。その他の出演者にキアヌ・リーブス、アマンダ・ピート。『恋愛小説家』や『最高の人生の見つけ方』などにもみられる変わり者だが根はいい人役のジャック・ニコルソンの名演技が本作でもみられるが、それに負けじと劇作家で少しお高い女性を演じたダイアン・キートンの演技が素晴らしい。老人に足を踏み入れた男女がこの年になって初めて本当の愛を見つけるという予定調和の物語だが、二人の名演技をはじめ、演出、脚本とあらゆる面でプロフェッショナルの仕事がみられ、この手の恋愛コメディでは最上位の出来のとなっていて、『恋愛小説家』などと同じく観終わって幸せな気分になる作品。
ダイアン・キートンのヌード
本作におけるダイアン・キートンの演技は高く評価されているが、この映画の後も彼女の女優としてのキャリアは続くが、ジャック・ニコルソンとの共演や大胆なヌードシーンも含め『恋愛適齢期』は彼女の女優としての総決算ような作品となっている。
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ダイアン・キートンがヌードになった映画
ダイアン・キートン(Diane Keaton, 本名: Diane Hall、1946年1月5日 – )はアメリカ合衆国の女優。『アニー・ホール』でアカデミー主演女優賞を受賞。
1977 ミスター・グッドバーを探して Looking for Mr. Goodbar
2003 恋愛適齢期 Something Gotta Give