ナバロンの嵐(1978/米/英/他/118分) 映画の感想
1943年、ドイツ軍のナバロン要塞の破壊に成功したイギリスに帰国していたマロリーとミラーは、ナバロン要塞破壊作戦時暗躍し今はユーゴスラビアのパルチザンの中に身を潜めているドイツ軍のスパイの暗殺指令を受ける。マロリーとミラーはバーンズビー中佐率いるアメリカ軍の特殊部隊と合同でユーゴスラビアへ潜入するが・・・。
ロバート・ショウ、ハリソン・フォード、エドワード・フォックス、フランコ・ネロ、カール・ウェザースなどの当時の新旧のスターとバーバラ・バックやリチャード・キールといった007の映画への出演で人気者となった役者が共演し、007シリーズのガイ・ハミルトンが監督した「オールスター戦争映画」。グレゴリー・ペックが主演した名作『ナバロンの要塞』の直接の続編で、冒頭は前作のラストから始まる。しかしグレゴリー・ペックが演じたマロリー役を今作ではロバート・ショウが演じていて、作品のトーンも違い実際のところほとんど続編とは呼べない代物となっている。この映画の公開当時はコッポラ、ルーカス、スピルバーグ、スコセッシ、デ・パルマらといった監督たちが頭角を現し成功をおさめ、とくにジャンル映画と呼ばれ一つ下に見られていた分野ではルーカス、スピルバーグがアメリカ映画に革命的な変革をもたらしていた時期で、スピルバーグの『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の登場はこのすぐ後だが、それらルーカス・スピルバーグの映画に心酔していた私は、ルーカスの『スター・ウォーズ』とスピルバーグの『ジョーズ』で活躍したハリソン・フォードとロバート・ショウが出演しているこの映画を当時テレビで観て、なんとも「古臭く」感じ大きな失望を感じた事を覚えている。同じころテレビで観た『ナバロンの要塞』には私は大興奮しているので、私が感じた「古臭さ」はあくまで「同時代」の映画としてはというものだった。私はルーカス・スピルバーグの登場はアメリカ映画にとって最重要の出来事と思っているが、原案がルーカスで「007」シリーズに憧れていたスピルバーグが監督した「インディ・ジョーンズ」シリーズは、ガイ・ハミルトンらが作ってきたその007シリーズをも過去のものにするほどの輝きと斬新さがあった。ロバート・ショウ、ハリソン・フォードらが出演し「007」のバーバラ・バックやリチャード・キールが出演し、「007」シリーズのガイ・ハミルトンが監督した本作は少しおおげさになるがそういったアメリカ映画(イギリス映画を含めた全世界の映画)の転回点を表す象徴的な作品に私には感じられる。そういった比較要素を取り払ってみれば、本作は古き良き「オールスター戦争映画」の香りを感じさせる娯楽映画で、決して出来は悪くはなく私も嫌いではないが、本作の公開年に亡くなった主役のロバート・ショーに明らかに元気がないことや、彼とハリソン・フォードとの相性もあまりよくないところなど、映画の「新しさ」「古さ」とは別に、私は本作は映画として肝心かなめの部分に欠点がある作品でもあると評価している。「インディ・ジョーンズ」つながりでは、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で、過去のアーカイブ映像からナチスの軍服姿の若き日のハリソン・フォードのCGを制作したと聞いた時、真っ先に本作のことを思い出した。
バーバラ・バックのヌード
ルイス・ギルバート監督の『007/私を愛したスパイ』(1977)でボンドガールを務め注目されたバーバラ・バックが本作のヒロイン役。秘密のある女戦士の役で、その辺りは「007」っぽい。
ナバロンの嵐 ウィキペディア
ナバロンの嵐 IMDb
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