クラッシュ(1996/加/100分) 映画の感想
CMプロデューサーのジェームズは衝突事故で重傷を負う。衝突した相手方の車に乗っていた夫婦のうち夫は死亡するが妻のヘレンは生き残り、彼は彼女に奇妙な性的衝動を覚える。偶然病院でヘレンに再会したジェームズは彼女に惹かれるが、彼女は「車の衝突」によって得られるスリルや性的興奮を求めるカルトグループの一員だった。ジェームズはそのリーダーのヴォーンと知り合い、彼もまた彼らの仲間に引き入れられる。ジェームズは性的に倦怠期にあった妻も巻き込み、死と隣り合わせの快楽の世界へと次第にのめり込んで行き・・・。
J・G・バラードの小説を『シーバース/人喰い生物の島』『危険なメソッド』のデヴィッド・クローネンバーグが監督したカルト映画(変態映画)。ジェームズ・スペイダー、デボラ・カーラ・アンガー、ホリー・ハンター、イライアス・コティーズ、ロザンナ・アークエット出演。デヴィッド・クローネンバーグの映画の特徴の一つに、人間と人間以外の器物(寄生虫やビデオなど様々)が融合し精神や肉体に変革をおこし、その一つの変化の表れとして性的なモチーフが強調されるというものがあげられる。車という人間にとって一番身近な器物の一つをテーマとした本作は、独特のグロテスクな表現や人間以上に車(破損した車やその中の死体)をフェティッシュに官能的に捉えた映像、過激な性描写など、監督の演出が冴えまくった、それらの頂点のような作品に仕上がっている。初めてこの映画を視聴した時、私はホラー映画監督としてデヴィッド・クローネンバーグを認識していて、ジェームズ・スペイダーやホリー・ハンターら典型的なアメリカ人俳優が彼の映画に合っていないようにも感じられ、正直この映画に物足りなさを感じたが、後年高画質で観返してその完成度の高さと、テーマの異常さと、大胆な性描写に感心し興奮を覚えた。ジェームズ・スペイダーやホリー・ハンターらミスキャストに感じられた配役も、そういった「普通っぽい」彼らが車の事故に興奮を覚え性別関係なく変態セックスを繰り広げることで、その変態ぶりがほとんどギャグかよというレベルにまで達しており本当に凄い。私がこれまで観てきた映画の中でも最上級(映画の質という点でも)の変態映画。
ホリー・ハンターのヌード
『ブロードキャスト・ニュース』や『オールウェイズ』や『ピアノ・レッスン』(私の生涯ベストの作品の一つ)などで、私は当時ホリー・ハンターの大ファンになっており、本作に彼女が出ていることで楽しみにしていたが、デヴィッド・クローネンバーグ作品に彼女が合っていないようにも感じられ、また彼女が中心の映画でもないことが分かって少しがっかりしたという覚えがある。その感想は観返しても変わらなかったが、ジェームズ・スペイダーもそうだがそのミスマッチ感が異常さや変態っぽさの醸成も含め作品に独特の効果を与えていて、これはこれで良いと思った。
ロザンナ・アークエットのヌード
ロザンナ・アークエットはカルトグループの一員で、交通事故で足に補助機器をつけた女の役。出番は少ないが、監督特有のグロテスクな表現で強調された事故での傷や補助機器をつけた足がフェテッシュに描かれ、そんな彼女とジェームズ・スペイダーのセックスシーンがなんとも変態チックでかなりのインパクト。
デボラ・カーラ・アンガーのヌード
デボラ・カーラ・アンガーは、クール美女でミステリアスで、デヴィッド・クローネンバーグの過去作でも登場した女性キャラを踏襲している。ジェームズ・スペイダーとのベッドシーンなど出演女優の中では彼女のエロチックなシーンが一番多い。
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サーティーン あの頃欲しかった愛のこと(2003/米/100分) 映画の感想
複雑な家庭環境で暮らしながらも真面目な学生だった13歳の少女が、学校一派手で目立っている女の子に憧れ、彼女たちのグループとつるんだために非行に走り、母親との間に軋轢を生じさせるという様を描いた人間ドラマ。
監督は後に『トワイライト〜初恋〜』を大ヒットさせるキャサリン・ハードウィック。主演の少女にテレビドラマ『ウエストワールド 』のエヴァン・レイチェル・ウッド、その母親役にホリー・ハンター。このサイトをやっていて気付いたことだが、とくに2000年代に入ってから、大手の映画会社が見込みのある企画や脚本をアート系のフィルムとして新人に近い監督に撮らせ、そこに有名な女優を出演させて映画の中で脱がせ、有名な映画祭に出品させて箔をつけ、女優さんのヌードとともにそれらを売りにして世界中のマーケットに売り込むという(本国アメリカではビデオスルーの作品も多い)、それまでとは違う「芸術」を隠れ蓑にした新たなエクスプロイテーション映画のマーケットが存在している。その中で当たりが出れば映画会社もとくするわけだが、その大部分は、私がこのサイトでもレビューしてきたようにあまりいい出来ではない。だが本作はそんな中にあって完全な当たり。本作の演技で数々の賞にノミネートされ注目されたエヴァン・レイチェル・ウッド始めホリー・ハンターらの役者陣が演技もよく、というか中でもこの二人の魅力と演技が突出して良く、作品の成功に大いに貢献している。本作で多用される、手持ちカメラで撮られたようなチャカチャカしたせわしない映像は失敗することも多いのだが、思春期の主人公を始めとする登場人物たちの混乱した心情や生活などと一体となって、それも効果的に働いている。秀作。
ホリー・ハンターのヌード
ホリー・ハンターは、シングルマザーで生活や子供たちの世話やぐれた娘や自らの恋に大わらわな主婦を好演。エヴァン・レイチェル・ウッドとの相性もよく、二人のぶつかり合いは見ごたえがある。けっこう大胆な彼女のヌードシーンが見られる。
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ホリー・ハンターがヌードになった映画
ホリー・ハンター(Holly Hunter, 1958年3月20日 – )は、アメリカ合衆国の女優。1993年の『ピアノ・レッスン』でアカデミー主演女優賞、ゴールデングローブ賞 主演女優賞、カンヌ国際映画祭 女優賞を受賞。
1993 ピアノ・レッスン The Piano
1996 クラッシュ Crash
1999 マンハッタンで抱きしめて Living Out Loud
1999 彼女を見ればわかること Things You Can Tell Just by Looking at Her
2000 アメリカン・ジャスティス Harlan County War
2003 サーティーン あの頃欲しかった愛のこと Thirteen
2007-2010 女捜査官グレイス 〜 天使の保護観察中 Saving Grace TVドラマ
2018 HERE AND NOW 〜家族のカタチ〜 Here and Now TVドラマ