ジェニファー・コネリーのヌード　ホット・スポット他

ホット・スポット(1990/米/130分)　映画の感想

流れの者のハリーはテキサスの田舎町でカーディーラーの職に就く。彼はそこで働くグロリアに一目ぼれし、その一方で彼は販売店の経営者の妻ドリーに誘惑され関係を持つ。ハリーは実は悪党で銀行から金を盗み犯人ではないかと疑われるが、ドリーの偽証で救われる。ドリーはそれをネタにハリーを脅し夫殺しを依頼するが、それを拒否する。ハリーはグロリアを脅し彼の犯罪を知っていると匂わすサットンを乱闘の末に殺してしまう。グロリアと街を出ようとするハリー、しかしそこにドリーが立ちふさがり彼に真実を語る･･･。

チャールズ・ウィリアムズの小説を映画化した、デニス・ホッパー監督による犯罪ドラマ。ドン・ジョンソンが主役の悪党、ジェニファー・コネリーが彼に惚れられる女の役、そしてヴァージニア・マドセンが裏で糸を引く悪女を演じる。ネオノワール的と言おうか、ミステリー要素や、全体的な気怠い雰囲気や、女に振り回されて深みにはまるドン・ジョンソンの演技が良い。ただヴァージニア・マドセン演じる悪女のキャラ造形が在り来たりで少し弱い感じがするのが残念(ヴァージニア・マドセン自身は好演)。ジェニファー・コネリーとヴァージニア・マドセンともに魅力的でセクシーだが、ドン・ジョンソンの相手役としてどっちつかずになってしまっているようにも感じる。ここらへんのバランスは難しいところだが、決して悪い出来の映画ではない。この頃のデニス・ホッパーは『悪魔のいけにえ2』『ブルーベルベット』『勝利への旅立ち』などへの出演で低迷期を脱したころで、監督業も再開し、自分の好みの作品を立て続けに制作していた。彼が監督した実質最後の劇場長編映画は『沈黙の戦艦』のエリカ・エレニアックが出演した『逃げる天使』。

ジェニファー・コネリーのヌード

本作でのジェニファー・コネリーの女の子二人での水辺でのヌードシーンはかなり有名。いまや大女優の彼女だが、子役で映画デビューし絶世の美少女としてもてはやされるもその後やや低迷し、失礼だが「お色気路線」に活路を見出していた時期が一時期あった。本作はその最初の作品にあたるが、子役のイメージを翻す大胆な脱ぎっぷりと、その成熟した体でかなり話題になった。マジでキレイ。この辺り、映画デビュー直後によく脱いで、その後はピタリと脱がなくなったフィービー・ケイツとは違うところ。演技はお世辞にも上手いとはいえず、その美貌は良しとしても、ヌードになっていることも含め本作における彼女はお飾り感のする役どころであることは否めない。

ヴァージニア・マドセンのヌード

悪女の役を務めたヴァージニア・マドセンも、ジェニファー・コネリー負けずにヌードを披露しているが、脱ぎっぷりのインパクトはジェニファー・コネリーの方が上。野外でのドン・ジョンソンとの濡れ場のシーンもある。悪女としてはややステレオタイプであまり興味をそそられないが、彼女自身の演技は悪くはない。

愛の奴隷 (1994年/米/アルゼンチン/105分)　映画の感想

ピノチェトによる独裁政権下のチリ、雑誌記者のイレーネは、仕事を求めてやってきたハンサムな写真家フランシスコと出会う。彼は政府に反発を抱いており、イレーネは彼を通して現政権が行っている国民への残虐行為について目を開かされる。イレーネには婚約者がいたが、フランシスコに惹かれ二人は結ばれる。しかし彼らにも政府の魔の手が迫ってきて･･･。

男女の愛を、1973年の軍事クーデターによって実権を握ったアウグスト・ピノチェトの独裁政権下のチリにおける反政府活動家への激しい迫害を背景に描く文芸映画。原作は『精霊たちの家』のイサベル・アジェンデ。アントニオ・バンデラス、ジェニファー・コネリー共演。イサベル・アジェンデ原作のストーリーはかなり良いが、監督の演出力やスタッフの技術力が低く、途中で観るのがしんどくなってくる作品。俳優は熱演しているが、とにかく監督の見せ方がまずい。

ジェニファー・コネリーのヌード

ジェニファー・コネリーは、アントニオ・バンデラス演じるカメラマンと恋に落ち、彼を通じて反政府活動に目覚める雑誌記者役。DVDのパッケージなどでジェニファー・コネリーのエロチック映画であることが強調され、おそらく彼女出演のその手の映画のなかでは一番有名だが、内容はいたって真面目。パッケージのシーンは映画冒頭に存在するが、ここだけ映画のトーンからかけ離れていて浮いている。他にもアントニオ・バンデラスとのラブシーンなどでヌードを見せるが(こちらはいいシーン)、露出は控え目。アントニオ・バンデラスは有名女優とのベッドシーンの多い男優。ジェニファー・コネリーは若いころ必ずしも演技がうまいとはいえない女優さんだったが、この作品では大人の落ち着きと、後の彼女の活躍を予感させる演技の冴えを、場面によっては見せている。

狼たちの街(1996/米/108分)　映画の感想

1950年代初頭のアメリカロサンゼルス、激しい捜査手法で犯罪者たちから恐れられるロス市警のマックスとその仲間は、若い女性の遺体遺棄事件の捜査を担当する。死体の身元はアリソンという娼婦で、彼女が顧客とセックスしているフィルムが見つかる。マックスはそこに映っていた退役大将トーマスを訪ねるが、事件の背後にトーマスが係わる核実験の問題が浮かび上がる。陰謀の匂いを嗅ぎつけたマックスだが、彼もまたアリソンと関係しておりセックスフィルムを撮られていた･･･。

一人の娼婦の殺人事件の背後にうずまく陰謀や、ドロドロした人間関係や乱れた性を描いた犯罪ドラマ。監督は後に『007 ダイ・アナザー・デイ』監督するリー・タマホリ。ニック・ノルティ、メラニー・グリフィス、ジョン・マルコヴィッチほか、出演者はかなり豪華。フィルムノワール風の映画として成功しそうな内容と役者陣を揃えながら、ありきたりな演出、淡白な映像、稚拙な脚本によってそれを台無しになっている作品。ニック・ノルティの演じる刑事のキャラと彼の演技以外は特筆すべきものはない。

ジェニファー・コネリーのヌード

ジェニファー・コネリーは物語のカギとなる惨殺される女の役。セックスフィルムの中のニック・ノルティとのベッドシーンでヌードを見せる。当時の彼女は若い健康な女性感が強すぎて影がなくこの手の映画にはそぐわないように感じられる。演技力を求められるような役でもなく、彼女の自身の演技もお粗末で、はっきりいって本作の彼女は完全にお色気要員。

レクイエム・フォー・ドリーム(2000/米/102分)　映画の感想

ニューヨークのブルックリン、TVのショーに出演して脚光を浴びるという妄想に囚われた初老の女サラはダイエットのためと薬に手を出す。その息子のハリーは麻薬の売人で、彼は仲間の黒人のタイロンとともに麻薬の密売で一儲けしようと企てるが失敗し窮地に陥る。ハリーの恋人のマリオンは彼とブティックを開く夢を持っていたが、資金と麻薬の救急が立たれ、売春を繰り返す。麻薬の禁断症状に苛まれる彼らはさらに追い詰められて行き･･･。

観る者に強烈なインパクトを与える衝撃作。原作は『ブルックリン最終出口』のヒューバート・セルビー・ジュニアの同名小説(『『夢へのレクイエム』)。監督は『ブラック・スワン』や『レスラー』のダーレン・アロノフスキー。彼はヒューバート・セルビー・ジュニアのファンで、原作者とともに脚本を手掛けた。出演者はエレン・バースティン、ジャレッド・レト、ジェニファー・コネリー、マーロン・ウェイアンズら。ジャッジ・ドレや、この時期やや低迷していたジェニファー・コネリーの役者としての出世作。麻薬によって破滅していく人々の物語自体は珍しくなく、原作者が破滅的な人々を描いてきた著名な作家とはいえ、本作のストーリー自体はそれほど奇抜で衝撃的なものとは感じない。それではなにが本作を衝撃的なものにしているのかというと、それは、悪夢的・幻想的・ホラー的表現や早回しといった監督独特の演出や編集技術であり、そこに奏でられるクリント・マンセルの陰鬱で恐いが荘厳な音楽であり、そして役者の真に迫った演技であろう。それらを監督がパズルでも組み立てるようなまとめ上げ、この世に二つとない刺激的な映像表現に仕上げて見せたのだ。なかでも『エクソシスト』のエレン・バースティンの、TVショーに出演するという妄想にとりつかれお気に入りのドレスを着るためにドラッグを使ってダイエットをし最終的には発狂していく初老の女の演技がスゴイ。『エクソシスト』からのあまりの変貌ぶりに彼女がエレン・バースティンであることに私は観ている間気づかなかった。

Requiem For A Dream – Soundtrack　(サイコー！)

その点では『ブラック・スワン』や『レスラー』は、『レクイエム・フォー・ドリーム』にみられた映像表現の鋭利さ奇抜さよりも物語の方により重点が置かれていて、私的にはあまり評価は高くない(というか私の好きなダーレン・アロノフスキー監督作品は本作のみ)。

ジェニファー・コネリーのヌード

絶世の美少女として『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』でデビューし人気女優になるものの、その後低迷し『ホット・スポット』や『愛の奴隷』や『狼たちの街』などでヌードになりお色気路線に活路(役柄上必要なヌードというよりも裸になること自体が求められていたという点で)を見出していたジェニファー・コネリーは本作への出演で再ブレイクを果たす。役者としての出世作といっても本作での彼女の演技がとくに優れているというわけでもないのだが、美しい容姿の彼女が麻薬に溺れ、売春を繰り返し、乱交パーティで犯され、ヘアを晒す様は衝撃的で、裸になることの必然性も含めてこれぞ賞賛すべき汚れ役といった感じだ。裸と言っても、これまでの作品とは違い本作ではお尻(これはボディダブルっぽい)とアンダーヘアだけだが、それがまたエロイ。

ジェニファー・コネリーがヌードになった映画

ジェニファー・リン・コネリー（Jennifer Lynn Connelly, 1970年12月12日 ）。アメリカ合衆国 ニューヨーク州 カイロ出身、女優。

1990　ホット・スポット　The Hot Spot　Amazon
1994　愛の奴隷　Of Love and Shadows　Amazon
1996　狼たちの街　Mulholland Falls　Amazon
1997　秘密の絆　Inventing the Abbotts　Amazon
2000　レクイエム・フォー・ドリーム　Requiem for a Dream　Amazon
2016　アメリカン・バーニング　American Pastoral　Amazon