ノースマン 導かれし復讐者(2022/米/136分) 映画の感想
9世紀後半の北欧の小国に、王オーヴァンディルが凱旋帰国する。しかし王は負傷しており、老いも感じた彼は、跡継ぎの息子アムレートに王位継承の儀式を受けさせる。その直後オーヴァンディルは弟フィヨルニルによって反乱を起こされ殺される。アムレートはなんとか脱出し、父の敵討ちと王妃である母の奪還を誓う。ロシアで拾われ戦士として成長したアムレートは、フィヨルニルが国を追われアイスランドに落ち延びていることを知り・・・。
『ウィッチ』のロバート・エガース監督による北欧神話やヴァイキングを題材とした復讐劇。主演のアムレートにアレクサンダー・スカルスガルド。その他の出演者はアニャ・テイラー=ジョイ、ニコール・キッドマン、クレス・バング、イーサン・ホーク、ウィレム・デフォーら。復讐を誓った男がそれを成し遂げ英雄としてヴァルハラに迎えられるかを、神秘的・呪術的な描写、壮大な自然描写などを交えつつ大真面目に描いた叙事詩的な構成の作品。アクションや幻想的なシーンは多いもののそれらはリアル指向で描かれておりいわゆるハリウッド映画的な派手な見せ場はほとんどなく、観る人によっては退屈に感じられる類の映画。私も前半退屈さを感じたが、後半の、物語にどんでん返しがあったあたりから、登場人物のキャラや立ち位置が明確になりかなりおもしろく観れた。スウェーデン出身のアレクサンダー・スカルスガルドによる企画らしいが、彼を含めて男優陣はやや役不足の感がある一方(監督が表現しようとしていることに対してということで彼らの演技が悪いというわけではない)、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコール・キッドマン(あい変わらずキレイ)らの女優陣の演技と魅力が光っている。
アニャ・テイラー=ジョイのヌード
『ウィッチ』に続いてロバート・エガース監督作品に出演した彼女は『ウィッチ』で見せた女優としての魅力と演技力の高さにさらに磨きをかけたという印象で、主役ではないがかなりの存在感を発揮している。アレクサンダー・スカルスガルドとのラブシーンなどでヌードを見せているが、胸は映らず、一方で彼女のお尻が大写しにされる。
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ウィッチ(2015/米/カナダ/93分) 映画の感想
19世紀のニューイングランド、宗教的対立からピューリタンのコミュニティを追放され過酷な生活を強いられる敬虔なキリスト教徒の一家が、一家の赤ん坊が失踪したことをきっかけに家と隣接する奥深い森の中に魔女の存在を感じ、家族同士で疑心暗鬼に陥り、徐々に崩壊していってしまう様を描いたホラー映画。
監督はこれがデビュー作となるロバート・エガース。一家の長女の役に『スプリット 』のアニャ・テイラー=ジョイ。父親役にラルフ・アイネソン。過酷な生活の中で追い詰められた敬虔なキリスト教徒の家族の心と体に悪魔が忍び込んでくる様を精神的にも物理的にも描写した脚本と演出が優れていて、役者の演技も真に迫っており、魔女や悪魔などという絵空事をリアルなものに感じさせ相当怖い。明らかに低予算の映画だが、当時の時代背景などへのリサーチもしっかりしいて、宗教(神と悪魔)と人間の精神との関りについて心理学的に考察させる深みもある。秀作。
アニャ・テイラー=ジョイのセミヌード
デビュー間もないアニャ・テイラー=ジョイは本作で圧巻の演技と存在感を見せ、大いに注目されることとなった。映画後半でセミヌードを披露(ボディダブルっぽくもあるが)。『スプリット 』の方を先に観ていたが、私は本作の演技で彼女のファンとなった。マリオの映画も楽しみ。
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021/英/116分) 映画の感想
田舎からファッションの勉強のためにロンドンに引っ越してきた霊感が強い女の子エリーは、ソーホーで見つけた古ぼけた下宿で暮らしていた。夢か現実か彼女はそこで60年代のソーホーに〝タイムスリップ〟し、サンディというスターを夢見る女の子と同化し華やかなショービジネスの世界を体験するが、サンディは売春婦として身を崩し殺害されてしまう。それを機にエリーは現実世界でも幻想を見るなど怪奇現象に悩まされるようになる。切羽詰まった彼女は真相を突き止めようとするが・・・。
『ベイビー・ドライバー』『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライトによるサイコ・ホラー。トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイ、ダイアナ・リグ、テレンス・スタンプらが出演。古典的な幽霊屋敷ホラーと60年代ロンドンの繁華街におけるショービジネスの世界の光と影の描写とを融合させた映画。エドガー・ライト監督らしく過去のホラー映画への言及が意識的・無意識的になされているのも特徴。関係者からそういった発言がとくにあるわけではないが、私個人としてはキングの『シャイニング』の小説版・映画版におけるいくつかの小さな挿話をロンドンに舞台を移し替えて描いたような作品に感じられた。全体的に映画の様々な要素のクオリティが平均的に高く、なかでも観る者を何度もミスリードしつつあっと驚く結末へと導いていく監督の演出には驚かされた。個人的に好きな映画。
アニャ・テイラー=ジョイ
アニャ・テイラー=ジョイは、主人公エリーが同化するサンディという、スターに憧れながらも転落してしまう憐れな女の子を演じている。最初、トーマシン・マッケンジー演じるエリーと彼女の容姿や性格が違い過ぎるのが気になったが、それも意図的なもので灰汁の強い彼女がこの役に配置されたのも最終的には納得がいった。本作では彼女のヌードシーンはないが、私がホラー映画が好きなことと、彼女のお尻が強調されたセクシーなダンスシーン(短いが)が印象的だったことで感想を書かせてもらった。
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アニャ・テイラー=ジョイがヌード(セミ)になった映画
アニャ・テイラー=ジョイ(Anya Josephine Marie Taylor-Joy、1996年4月16日)は、アメリカ合衆国生まれの女優。『スプリット』『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(声の出演)。
2015 ウィッチ The Witch Amazon
2022 ノースマン 導かれし復讐者 The Northman Amazon
彼女の場合セクシーなシーンは多いものの、ヌードは少なく、お尻は見せるが胸は見せない。