M★A★S★H マッシュ(1970/米/116分) 映画の感想
朝鮮戦争下、アメリカ陸軍の移動病院に盗んだジープに乗って「ホークアイ」と「デューク」という外科医が赴任してくる。二人はいたずら好きで女好きで、軍の上下関係などもおかまいなし。そこに「トラッパー」も仲間として加わって、彼らは、信心深い兵士や生真面目な兵士、自殺志望の兵士を嘲り、彼らにいたずらを仕掛け騒動を起こす。そんな彼らであったが外科医としての腕は一流で、次々と運び込まれる負傷兵たちの命を救うために全力を尽くす・・・。
ロバート・アルトマン監督による「朝鮮戦争」を舞台にしたブラックコメディ。ドナルド・サザーランド、トム・スケリット、エリオット・グールド、ロバート・デュヴァル、サリー・ケラーマンら出演。朝鮮戦争を舞台といっても時代考証などはあやふやで、朝鮮戦争よりもこの映画が公開された当時進行中であったベトナム戦争を想起させる。ドナルド・サザーランドらが演じる軍医たちは、信仰や、軍の規律、女性、自殺志望者をおちょくるというように権威にたてつき道徳を嘲笑し、それがブラックな笑いを生む。といってもいたずらされる側は皆基本厄介者で、彼らを「やっつける」ことでそこに映画としての爽快感が生まれる。軍医たちはそのように悪ふざけが過ぎる一方で、医者としての腕は一流で、彼らは負傷兵の命を救うため全力を尽くす。ここは手術の場面がリアルに血みどろに描かれ、演者の演技も含めコメディパートとのコントラストがスゴく戦場の悲惨さをリアルに感じさせる。主人公が人を殺す兵士ではなく、人の命を救う医者であることも意味深い。とはいえ『M★A★S★H マッシュ』が反戦映画といえるかといえばそういうこともなく、ラストはアメリカンフットボールの試合という軽いシークエンスで終わり拍子抜けさせる。ロバート・アルトマン監督の作品の特徴の一つは(全てではない)、「音楽業界」であれ「結婚披露宴」であれ「パリコレ」であれ、限定された業界や特殊な人間関係をモチーフにし、閉じられた舞台を作り、そこに役者を配して文字通り演劇を演出するように群像劇をコメディとして描くというところにある。そこでは時間の流れを始め通常の映画における前提は意味を失い、フォルマリズムかリアリズムで描くかも監督の自由となる。モチーフや舞台となる業界や人間関係は笑い飛ばされるが、それが時には風刺となり、それら題材への鋭い観察ともなる。『M★A★S★H マッシュ』はそのような監督の作風が確立されたといっていい作品で、観客は監督の提示する黒い笑いと、それとトーンの全く違う手術のシーンなどに心乱されながら、最後にはこの「ふざけていた」はずの軍医たちに感情移入し、彼らとの別れに寂しさを覚えることになる。傑作。
サリー・ケラーマンのヌード
サリー・ケラーマン演じるフーリハン少佐は、ロバート・デュバル演じるフランク少佐とともに、生真面目な軍人で、軍医たちと対立するが、恋仲となったフランクとの情事を彼らによって放送を通じて晒されてしまう(二人のキャラや演技が良すぎる)。その時「ホットリップス(熱い唇)」というあだ名をつけられ、さらにはシャワー中に周りの覆いをはがされ、衆人の前で裸を晒されてしまう。正直酷い役であるが、女優としての彼女は素晴らしく、本作への出演でサリー・ケラーマンは映画史に永遠に名を残すこととなった。
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Aspen Productions Ingo Preminger Productions 20th Century-Fox
サリー・ケラーマンがヌードになった映画
サリー・ケラーマン(Sally Clare Kellerman, 1937年6月2日 – 2022年2月24日[1])はアメリカ合衆国の女優。
1970 M★A★S★H マッシュ MAS*H
1970 バード★シット Brewster McCloud
1971 恐怖の影 A Reflection of Fear
1994 プレタポルテ Prêt-à-Porter