WALKABOUT 美しき冒険旅行(1971/英/米/豪/100分) 映画の感想
父親の心中未遂に巻き込まれてオーストラリアの砂漠に取り残された姉弟が、アポリジニの青年に助けられる。3人は砂漠からの脱出を目指してともに旅をするが、アポリジニの青年は姉に求婚し・・・。
『赤い影』『ジェラシー』のニコラス・ローグ監督のカルト映画。主演の姉役には『狼男アメリカン』のジェニー・アガター。弟役はリュシアン・ジョン、アボリジニの少年にデヴィッド・ガルピリル。原題のWALKABOUTはアポリジニの社会における通過儀礼を意味しているが、これは文明社会からオーストラリアの荒野に放り出され過酷なサバイバルを強いられることになる姉弟にとっても当てはまる。セリフの少ない映画で、通過儀礼、若者の性、文明と自然の対比、サバイバルといった本作のテーマが、独特のモンタージュと音楽の組み合わせによって表現される。いわば映像詩のような映画であるが、それにのれるかのれないかで、本作の評価も分かれるだろう。個人的には物語の苦い顛末が胸に迫った。
ジェニー・アガター
ジェニー・アガターは砂漠に取り残された姉弟の姉の役。本作が映像詩のような映画だと述べたが、10代の若さと美しさにはちきれんばかりのジェニー・アガターの存在が、とくに彼女の全裸で有名な遊泳シーンに作品のテーマが凝縮され、観るものに強烈な説得力を持って若者の性というものを訴えかけてきて、この場面を映画史に残るヌードシーンにしている。
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Max L. Raab-Si Litvinoff Films 20th Century Fox

2300年未来への旅(1976/米/118分) 映画の感想
23世紀の地球、人類は地下のドームで暮らしていた。そこは人々が30歳になると人口抑制のために「儀式」によって殺害されてしまうデストピアだった。ドームからの脱出者を始末していたローガンはジェシカという女と出会い、ドームでの生活に疑問を抱き、彼女とともにドーム社会の支配から逃れ自由な「聖域」を目指して脱出を試みるが、そこには彼らの想像しない事実が待ち受けていた・・・。
ディストピア社会に疑問を感じた主人公がそこからの脱出を試みるSF映画。監督は『八十日間世界一周』や『1984』(1956年版)のマイケル・アンダーソン。出演者はマイケル・ヨーク、ジェニー・アガター、リチャード・ジョーダン、ファラ・フォーセット他。特撮を駆使したSF映画で、特撮でも賞を取った映画であるが、今見返すとその特撮含め、テーマ(閉ざされた社会の中で生きる主人公が真実に目覚める系)、ビジュアル、テンポ、すべてが古臭い。古臭いというか、これが『スター・ウォーズ』が公開される直前に作られたSF映画ということで当時の映画として色褪せてしまっているが問題なのである。本作を観ると、いかに『スター・ウォーズ』がその後のSF映画、特撮映画を変化させたのかがよく分かる。とはいっても本作は妙な魅力を持った映画で、セクシーなシーンも多く、TVドラマ化もされ、ファンの多い作品でもある。
ジェニー・アガターのヌード
ジェニー・アガターは主人公とドームからの脱出を試み互いに愛し合う女の役。本作はセクシャルな要素も強いSF映画であるが、ジェニー・アガターもお尻と太もも丸出しのセクシー衣装で登場してくる。また後半には、彼女が服を脱いで全裸になり池のなかで男と裸でじゃれあう『美しき冒険旅行』を想起させるシーンがある。
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Metro-Goldwyn-Mayer United Artists Cinema International Corporation

狼男アメリカン(1981/米/98分) 映画の感想
イギリスの田舎町を旅行中のアメリカ人青年ディビッドとジャックは、満月の夜荒野で巨大な獣に襲われる。ジャックは命を失い、ディビッドも傷を負いロンドンの病院に収容され、看護婦のアレックスに看病される。病院を退院後ディビッドは彼女のアパートに招かれ二人は結ばれる。しかしそんなディビッドの前に死んだはずのジャックが傷だらけの姿で現れ、このままだとディビッドは次の満月の夜に狼男に変身すると忠告する・・・。
『ブルース・ブラザース 』『眠れぬ夜のために』のジョン・ランディス監督による、どこかクスっと笑え、かといってコメディとしては怖すぎる、ユナバーサルなどの古典的狼男映画のフォーマツトを換骨奪胎して蘇らせた傑作ホラー。ディビッド役はデヴィッド・ノートン、ジャック役は『アフター・アワーズ』のグリフィン・ダン。看護婦のアレックス役はジェニー・アガター。この映画を語る上で一番に上げられるのはやはり特殊メイクアップの巨匠リック・ベイカーによる狼男の変身シーンだろう。仕掛けなどがバレやすい明るい照明の下で、狼男の全身が骨格ごと変化するシーンは観る者に衝撃を与えた。今見返してもこのシーンは素晴らしいが、ただそれは古臭さを感じさせない特殊メイクの技術もさることながら、編集の巧みさや、役者の演技、音楽の効果的な使用などが混然一体となって効果的に働いているために名シーンととなったものだった。特殊メイクだけが突出した映画ではないのだ。諸事情で狼男の全身が見せられない事や、多少尻切れトンボ感のある物語、そして笑いと恐怖が現実と幻想が混然一体となったシークエンスなどは、欠点とも余韻を感じさせ想像を膨らませる余地ともなって、本作に独特の味わいを与えている。表面的ではないが、友情、恋、家族愛が端々に描かれていたり、狼男が性も含めた若さゆえの衝動の暗喩となっていたり、主人公がユダヤ人であることが異国(欧州)での彼の孤独や悪夢の形となって現れたりと、『狼男アメリカン』には一人の青年の人生を短い時間の中に凝縮して表した青春映画としての趣もある。それを踏まえたうえでの狼男映画としての定番のラストが涙を誘う。ヴァン・モリソンの「ムーンダンス」はじめ挿入歌も素晴らしい。『ジョン・ランディスが『戦略大作戦』のアシスタントでユーゴスラビアに行った際にロマの人々(いわゆるジプシー)と遭遇し、彼らの儀式的パフォーマンスを見たことが着想となって本作の物語は生まれた。そういう経緯もあってか、本作にはアメリカ人が感じる広い意味でのヨーロッパへのエキゾチシズムや偏見が、やや歪んだ形で表れているのも興味深い。
Blue moon-By: Bobby Vinton
Van Morrison – Moondance
Creedence Clearwater Revival: Bad Moon Rising
The Marcels – Blue Moon
ジェニー・アガターのヌード
目覚めたら看護婦の恰好をしたジェニー・アガターがいた。看病してくれた。恋に落ちた。セックスした。という夢のようなシチュエーションがサイコーなのだが、それも計算の上で、この幸福は、その後主人公に起こる悲劇との間に落差を生み出し物語上で効果的に働いている。デヴィッド・ノートンとのラブシーンでヌードを見せる。演技よりも役よりも(彼女のそれがだめだと言っているわけではもちろんないが)、映画の中の裸で記憶される役者さん。そういう役者人生も、それはそれで称賛に値するのだ。ラストの彼女の姿が切なくていい。
狼男アメリカン ウィキペディア
狼男アメリカン IMDb
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PolyGram Pictures Lycanthrope Films Limited Universal Pictures Barber International Films Producers Sales Organization
ジェニー・アガターがヌードになった映画
ジェニファー・アン・アガター(Jennifer Ann Agutter, 1952年12月20日 – )は、英国の女優。
1971 美しき冒険旅行 Walkabout Amazon
1976 2300年未来への旅 Logan’s Run Amazon
1977 エクウス Equus
1978 チャイナ9、リバティ37 China 9, Liberty 37 Amazon
1980 Sweet William
1981 狼男アメリカン An American Werewolf in London Amazon

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