シャロン・ストーンのヌード　氷の微笑/硝子の塔他　

氷の微笑 (1992/米/128分)　映画の感想

著名な女小説家キャサリンの周囲で、彼女が書いた小説の筋書き通りに殺人が起こる。いわくつきの刑事ニックは彼女を容疑者としてマークするが、逆に彼女に性的に魅了され関係を持ってしまう･･･。

言わずと知れたシャロン・ストーン、マイケル・ダグラス共演の、エロッチックサスペンス映画の金字塔。ノーパンのシャロン・ストーンが取調室で足を組み替えるシーンは映画の枠を超えて社会現象となり(無数のパロディを生み出した)、また脚本が高額で買い取られたことも話題となった。とはいえそのストーリーはというと、よく出来てはいるがありがちなたわいもないもので、これは完全に話題作りだった。ここで特筆すべきなのはそのありがちな題材を、ここまでの極上のエンターティメントに仕上げた監督のポール・バーホーベンの手腕である。昆虫型殺人エイリアン、ロボット刑事、透明人間･･･と、一見失笑ものの題材(私は好みだが)を扱いながら、彼はその本質を理解したうえでそれを最高の娯楽映画として完成させてしまう。また他にも、これは監督の作家性にも通じるのだが、モラルの箍の外れた、人間の「欲望」に忠実な超強烈なキャラクターが作品に登場することも、ポール・バーホーベン作品の特徴である。このようなキャラクターに周囲の人間は激しく翻弄され、そこに物語が生まれ、「欲望」に忠実なので当然エロや暴力描写も強烈に描かれることになる。本当に最高の映画監督である。

シャロン・ストーンのヌード

シャロン・ストーンは殺人の容疑者で、マイケル・ダグラス演じるいわくつきの刑事と情事を交わす小説家の役。取調室でのノーパンでの足の組み替え、窓越しの脱衣ヌード、マイケル・ダグラスとのセックスシーンなどで、大胆な演技をみせる。エロの定番シチュエーションを網羅しているのが素晴らしい。取調室で、オールバックの髪型の彼女が、蠱惑的な笑みをたたえながら鏡越しに刑事たちを挑発する場面は、ポール・バーホーベン監督が好んで描く、モラルのない「欲望」に忠実な強烈なキャラクターというものを象徴するシーンとなっている。シャロン・ストーンは本作の直接の続編である『氷の微笑2』(2006)で、再びキャサリンを演じることとなる。

ジーン・トリプルホーンのヌード

ジーン・トリプルホーンはマイケル・ダグラスの恋人の精神科医役。本作ではとかくシャロン・ストーンのエロチックなシーンばかりが取り上げられがちだが、彼女がマイケル・ダグラスと半ば暴行されるような形でセックスするシーンもそれらに負けないほど強烈なものとなっている。ハリウッド映画にありがちな定番的な、段取り的なセックスシーンであるにも拘わらず、監督の演出によって、ものすごく生々しいものとなり、物語上重要なシーンを盛り上げている。シャロン・ストーンの影に隠れがちだが、本作のジーン・トリプルホーンは非常に魅力的で、その後人気女優となって、『ザ・ファーム 法律事務所』『ウォーターワールド』などの大作、話題作に主要なキャストとして出演したのも肯ける。

ジーン・トリプルホーンがヌードになった映画

ジーン・トリプルホーン（Jeanne Tripplehorn, 1963年6月10日 – ）は、アメリカ合衆国オクラホマ州タルサ出身の女優。

1993　氷の微笑　Basic Instinct　Amazon
1995　ウォーターワールド　Waterworld　Amazon

硝子の塔(1993/米/107分)　映画の感想

前の住居者が自殺し何者かによって住民が四六時中カメラで監視されているという〝いわくつき〟の超高級マンションに引っ越してきた、シャロン・ストーン演じる美女の周囲で起こる不可解な出来事や殺人事件について描いた映画。

『ローズマリーの赤ちゃん』や『ブラジルから来た少年』で知られるアイラ・レヴィンの小説が原作。物語の設定自体は悪くないが、脚本の細部がかなり無茶苦茶で、それとエロチックなシーンの仰々しさとが相まって、全体的にへんちくりんな肌ざわりになってしまっている「残念」な映画。タイプキャストといわれようが主役のシャロン・ストーンが同時期にとられた『氷の微笑』のような悪女だったなら、もう少し楽しめる映画になっていたように思う。

シャロン・ストーンのヌード

シャロン・ストーンは高級マンションに引っ越してくる美女編集者の役。本作は『氷の微笑』でスターダムを上り詰めた、女優としての全盛期の彼女がみられる映画である。実質彼女のエロチックなシーンが最大の見せ場である映画にあって、期待にたがわず、大胆なヌードをみせ、激しいセックスシーンを演じてみせる。しかし、これでもかというぐらいにエロい雰囲気やシーンを盛り込もうとしたせいでバランスを欠き、それらすべてが仰々しくなり、滑稽さすら感じさせるものとなってしまっている。本作は彼女のキャリアに大きな傷をつけた駄作と言わざるを得ないだろう。

スペシャリスト(1994/米/110分)　映画の感想

元CIAの工作員で、フリーの爆破請負人のレイ・クイックは、メイという女から復讐のために両親を殺した犯人たちを暗殺してほしいと頼まれる。最初は断ったレイだが、彼女の境遇に同情し彼女自身にも惹かれて引き受ける。ターゲットはボスの息子を含むマフィアたちだった。マフィアはレイの元上官で彼と因縁のあるネッドという男を護衛として雇っていた。ネッドはただマフイアに雇われているだけではなく、レイの存在をすでに把握し彼に対してある策略を巡らせていた…。

シルヴェスター・スタローン、シャロン・ストーン、ジェームズ・ウッズ、ロッド・スタイガー、エリック・ロバーツという豪華俳優陣が共演した、大作アクションサスペンス映画。派手なアクションと爆破シーンが売り物で、金はかけているがお話の中身は薄いというこの当時流行した映画の典型的な作品。なのだが、見返してみるとシルヴェスター・スタローン、シャロン・ストーン、ジェームズ・ウッズといった役者がちょうど自身のキャリアで一番脂がのっている時期に共演していて、それぞれのステレオタイプをさらに誇張したような役で互いにぶつかり合っていてかなり見ごたえがある。シルヴェスター・スタローンとシャロン・ストーンが素っ裸でセックスしているのを観るだけで頭がクラクラしてくるが、悪役を務めたジェームズ・ウッズの過剰すぎる演技が彼ら以上に強烈でさらにクラクラさせられてなんか凄い。ロッド・スタイガー、エリック・ロバーツのキャラや演技もよい。監督のルイス・ロッサは本作の他に有名な作品としては『アナコンダ 』を撮っている。わりと実力のある監督だと思うが、その他にはこれといった監督作品がないのが不思議だ(本サイト的には『サンドラ・ブロック in アマゾン』を監督している所もポイントだが)。

シャロン・ストーンのヌード

シルヴェスター・スタローンとの濡れ場で大胆なヌードを披露。シャワールームで「くんずほぐれつ」している二人の姿は美しさを超えた「迫力」や「凄み」を感じさせる。うまくいえないが個人的には「これぞ映画だ！」と感じさせてくれる迷シーンだ。シャロン・ストーンの美しさは当然だが、スタローンの鍛え抜かれた肉体も素晴らしい。彼がこういう濡れ場のシーンでここまで裸をさらすのも珍しく、その点でもインパクトがある。

クイック&デッド(1995/米/108分)　映画の感想

女ガンマンのエレンは殺された家族の復讐のため、仇である大悪党ジョン・ヘロッドが支配する町にやってくる。町では早打ち大会が開かれていて、賞金目当てに様々な人間たちが集まり活気づいていた。エレンも大会にエントリーし、同じくエントリーしているジョン・ヘロッドに近づき彼を亡き者にしようとするが･･･。

『死霊のはらわた』や『スパイダーマン』のサム・ライミ監督が手掛ける一風変わった西部劇。サイモン・ムーアによる脚本はクリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督のマカロニウェスタンをリスペクトしたものであったが、それとも違う監督独自の世界に仕上がっている。一時『シン・シティ』や『300 〈スリーハンドレッド〉』など原作コミックのルックをそのまま映画に移し替えたような作品が話題になったが、これは私個人の意見だが、アメリカンコミックのファンであったサム・ライミ監督作品の独特の作風は、彼の頭の中だけにある彼独自のコミックをそのまま映像に置き換えるという所から来ているように思う。本作はそれがとくに色濃く表れた作品で、マカロニウェスタンでも古き良きアメリカ製の西部劇でもない本作は、必ずしも従来の西部劇ファンを満足させるものではないように思う(そのあたりがアメリカでの評価がイマイチな要因かもしれない。ふざけ過ぎていると捉えられたのだ)。映画自体はかなりよく出来ていて、時計塔のアップや銃で撃たれた人のどでかい風穴とか、自由奔放なカメラワークなど監督独特の個性的な映像表現以上に、ドラマ部分の演出や演技がしっかりしていて、シャロン・ストーン、ラッセル・クロウ、レオナルド・ディカプリオ、ジーン・ハックマンらの俳優が非常に生き生きと演技し、互いにぶつかり合い、見ごたえがある(私見ではラッセル・クロウとレオナルド・ディカプリオの最高傑作)。復讐劇も熱い。傑作だと思う。

シャロン・ストーンのヌード

親の仇への復讐を誓う女ガンマンを演じるシャローン・ストーンは、胸チラシーンはあるが、露出は控え目。肌の露出は少ないが役柄含めて本作の彼女はセクシーでカッココイ。演技にも感情が入っていて、本作の製作も務めた彼女の熱意も感じる。フェミニズム云々には私はあまり立ち入らない方だが、役柄、当時の名声、力強い演技、強烈なセックスアピール、映画製作へのかかわり方など含めて、本作の彼女にはそれを強く感じる。『クイック&デッド』を彼女の代表作の一つに私は押したい。

ハリウッド・ミューズ(1999/米/97分)　映画の感想

落ち目の脚本家スティーヴンは、創作者にインスピレーションを与えると界隈で評判の〝ミューズ〟に脚本執筆の協力を依頼する。贈り物やら、住まいの世話やらを要求する彼女に彼は四苦八苦するが、なんとか脚本の制作は進み、おまけに〝ミューズ〟の助言でスティーヴンの妻がクッキー店を開き人気となる。最初は半信半疑だったスティーヴンも、彼女を本物の女神と認めざるを得なくなったが･･･。

監督・脚本・主演は『タクシードライバー』や『ブロードキャスト・ニュース』への出演などで有名なアルバート・ブルックス(ハリウッド映画常連の個性的おじさん)。ハリウッドの楽屋落ち的な側面もあるコメディ映画で、ロブ・ライナー、ジェームズ・キャメロン、マーティン・スコセッシといった有名監督が本人役でゲスト出演しているのが特徴。アルバート・ブルックスの他に、シャロン・ストーン、アンディ・マクダウェル、ジェフ・ブリッジスなど人気俳優が共演していて、彼らのやりとりはそれなりに楽しいが、正直落ちも含めて全体的にパンチの弱い作品。アンディ・マクダウェルが相変わらず魅力的で、彼女のクッキー屋の話の方に焦点を当てていた方が、よりおもしろい映画になっていたようにも思う。アンディ・マクダウェルに興味があって未見の方にはおススメ。シャロン・ストーンがゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門にノミネートされたが、審査員への高額の贈り物をしていたことが暴露され問題になったらしい。

シャロン・ストーンのセミヌード

シャロン・ストーンはハリウッドの名だたる監督たちにインスピレーションを与える〝ミューズ〟の役(例えではなく周囲の者は彼女を本当に神だと信じているという設定)。背中からのお尻にかけてセミヌードを見せるシーンがあるが、顔が見切れていてボディダブルの可能性も高い。失礼だが『氷の微笑』の頃に比べ体系も変化し(いいわるいは別として)、この時期から彼女は女優としてのキャリアの曲がり角に入ったというのが正直な印象。

シャロン・ストーン in シークレット・スパイ(2004年/米/加/英/96分)　映画の感想

冷戦下、自分が結婚した相手がソ連との二重スパイだったことを知った女性(シャロン・ストーン)が苦悩する様を描いた映画。

有名な実在のスパイ、キム・フィルビーの本を基にしている。スパイ映画と言ってもサスペンス要素はなく、夫がソ連のスパイだということを知った女性が、苦悩しつつソ連とイギリス・アメリカを行ったり来たりする人間ドラマよりの作品。シャロン・ストーンは熱演で他の俳優も安定した演技を見せ、スパイ映画独特の緊張感もなんとかでているが、演出・脚本ともに凡庸。ただシャロン・ストーン出演のお金のかかった娯楽スパイ映画を期待しなかったら、それなりに観られる。

シャロン・ストーンのヌード

シャロン・ストーンとしては珍しい、黒髪の彼女が見られる。映画自体は凡庸だが、彼女の演技は良い。ラブシーンでヌードを見せるが、露出は控え目。

氷の微笑2(2006/米/114分)　映画の感想

有名サッカー選手が交通事故で死亡し、ロンドン警察は同乗していた著名でセクシーな女性小説家キャサリンに疑惑の目を向ける。刑事の依頼でマイケルという精神科医が彼女の鑑定人に選ばれるが、キャサリンは彼を性的に挑発する。それと並行してマイケルに因縁のある人々が彼女の小説の草稿どおりに次々と殺害される。マイケルはキャリンを疑うが、彼女のセックスアピールに屈し一夜を共にしてしまう･･･。

シャロン・ストーンが自らの当たり役を十数年ぶりに演じた、『氷の微笑』(1992)の正式な続編。監督はポール・バーホーベンからマイケル・ケイトン＝ジョーンズに交代。この十数年ぶりというのがすべてを物語っていて、30代だった時に演じたキャラを、48歳のシャロン・ストーンがまったく同じノリ(あえてノリという)で演じているために、かなり酷いことになってしまっている作品。ストーリーはほぼ第一作の踏襲ではあるが、よく書けていて、キャサリンのキャラも掘り下げられ、演出も悪くなく、続編として及第点を上げられるものだ。シャロン・ストーンも年の割にはかなり美しい。ただそれでも、キャサリンは50近い女優さんが演じられる役ではなく、演出や脚本がそれなりでも、そのことが最初から最後まで歪さとして感じられてしまう。年を取るのが悪いのではない事はいうまでもないが、年相応の役というものがあるのであり、その点では本作は完全に失敗している。プロットを批判する批評家もいるが、問題はそこではないと思う。彼女にしか出せない唯一無二の悪女としての魅力は感じられるものの、若作りして男を過激に挑発し、脱ぎまくり、激しいベッドシーンを演じる本作のシャロン・ストーンはなかなか見るのがつらいものがある･･･。本作に出演している、シャロン・ストーンより一回り年上のシャーロット・ランプリングが、年相応の役を演じて美しさを発揮しているのとは対照的である。

シャロン・ストーンのヌード

自らの当たり役を再度演じたシャロン・ストーンは、本作の出演で1400万ドルを手にしたという。十数年ぶりの続編だが、前作に負けず劣らず大胆に脱ぎ、過激なセックスシーンに挑んでいる。批判的なことも述べたが、50近い女性としてはグッドシェイプで驚異的に美しい。繰り返すが要はキャサリンという役がシャロン・ストーンにとって年相応ではないのが問題なのである。

シャロン・ストーンがヌードになった映画

シャロン・ストーン（Sharon Stone, 1958年3月10日 – ）は、アメリカ合衆国の女優。

1984　ペーパー・ファミリー　Irreconcilable Differences　Amazon
1988　ロス市警特捜刑事/惨劇のX’masイヴ　Cold Steel　Amazon
1988　アクション・ジャクソン/大都会最前線　Action Jackson　Amazon
1989　血と砂　Sangre y arena　Amazon
1990　トータル・リコール　Total Recall　Amazon
1991　シザーズ/氷の誘惑　Scissors　Amazon
1992　氷の微笑　Basic Instinct　Amazon
1993　硝子の塔　Sliver　Amazon
1994　わかれ路　Intersection　Amazon
1994　スペシャリスト　The Specialist　Amazon
1995　クイック&デッド　The Quick and the Dead　Amazon
1999　ハリウッド・ミューズ　The Muse　Amazon
2000　ウーマン ラブ ウーマン　If These Walls Could Talk 2　Amazon
2004　シャロン・ストーン in シークレット・スパイ　A Different Loyalty　Amazon
2006　氷の微笑2　Basic Instinct 2: Risk Addiction　Amazon
2012　ボーダー・ラン　The Mule　Amazon
2013　ジゴロ・イン・ニューヨーク　Fading Gigolo　Amazon