1980年代アンジー・ディキンソンイザベル・アジャーニキャロル・デイヴィスジェニー・アガターナンシー・アレンニナ・アクセルロッドファラ・フォーセットホラー映画メアリー・ベス・ルーベンスリア・ベルダムリンダ・カーリッジ映画女優ヌード

女優さんのヌードが見られるホラー映画 1980年代 No. 1

1980年代

殺しのドレス(1980/米/104分) 映画の感想

中年女性の殺害現場を偶然目撃した娼婦が、犯人に狙われながらも、犯人と関わりがあると思しき精神科医に近づいて真相に迫るが・・・。

『サイコ』などヒッチコックの映画にオマージュが捧げられたブライアン・デ・パルマ監督の傑作サイコサスペンス。ヒッチコックとブライアン・デ・パルマとの関係はいうまでもなく有名だが、私はそれとともに彼の映画はイタリアのジャーロ映画に強く影響されているようにも感じる。感覚的・幻想的な映像や表現、唖然とするようなプロットの使用などがそうなのだが、もともとイタリアのジャーロ映画自体がヒッチコックの影響を受けていて、いわばデ・パルマは、ヒッチコックつながりという事では〝構成のしっかりとした〟ダリオ・アルジェントなのだ。とはいえダリオ・アルジェントとデ・パルマは同時期に頭角を現した映画監督で、デ・パルマがダリオ・アルジェントから直接影響を受けたというわけではない。『ファントム・オブ・パラダイス』に出演したジェシカ・ハーパーに惚れこんだダリオ・アルジェントが彼女を『サスペリア』に出演させるなど二人には少なからぬ因縁がある。本作はまた、浮気する欲求不満の中年女、投資に熱心な娼婦、母親を殺人鬼に殺された機械オタクの少年、世慣れた刑事、特殊な個性の犯人など、登場人物が魅力的で、その一人一人にきちんとした物語とその顛末が描かれているところも楽しい。

アンジー・ディキンソンのヌード

あまりに有名なのでネタバレ以前の話だが、アンジー・ディキンソンは、映画前半に登場し一瞬主人公化と思わせてあっけなく殺されてしまう欲求不満の人妻の役。いわば『サイコ』におけるジャネット・リーの役である。映画冒頭のシャワーシーンのヌードはインパクト大だがボディダブル。だが彼女が殺されるまでの可憐な演出術、幻想的・感覚的な映像のあまりの素晴らしさに、そんなことはどうでもよくなる。アンジー・ディキンソンはこの映画に出演する直前『女刑事ペパー』というTVドラマで主人公をやっていて、アメリカ人にとってこの冒頭のシークエンスは、お茶の間の人気者がエロチックなシーンを演じた上に惨殺されるという意味で、さらに衝撃さを増すものだった(『ビッグ・バッド・ママ』で大胆なヌードや濡れ場を見せるなどそれまでにもセクシーな役は少なくなかったが)。

ナンシー・アレンのヌード

ナンシー・アレンは偶然殺人事件を目撃する投資に熱心な娼婦の役。当時彼女はブライアン・デ・パルマの奥さんだった。シャワーシーンでヌードを見せる。アンジー・ディキンソンのシャワーシーンが有名な映画ではあるが、映画後半の、精神科医を誘惑する際の彼女の黒い下着と悩殺ボディもそれに負けていない。

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シャイニング(1980/米/英/146分) 映画の感想

小説家志望のジャックは、オーバルックホテルの冬季管理人となり、冬の間家族とともにそこで過ごすことになる。前任者の管理人が家族を惨殺するなど、いわくつきのホテルで、ホテルの料理長ハローランは立ち去り際、霊感(シャイニング)の強いジャックの息子ダニーに警告を与える。ジャックは過去に酒に酔って息子のダニーを暴行した過去があり、それ以来禁酒していた。ホテルの中でジャックやダニーは自分たち以外の〝何者か〟と接触する。ジャックは小説の執筆が進まない苛立ちの中、ホテルの中にいる〝何者か〟にそそのかされ再び酒を煽るようになり・・・。

スティーブン・キング原作の同名小説を『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリックが映画化した幽霊ホテルを舞台にしたホラー映画。出演者はジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、スキャットマン・クローザース、ダニー・ロイド他。いまやホラー映画の名作として称えられ、数々の解釈や研究がなされている映画であるが、原作者のキングは本作を批判し、自ら製作総指揮を務め、『シャイニング』のTVドラマ版を製作した。このことに関して原作、映画版ともに『シャイニング』のファンである私から簡単に語らせてもらうとしたならば、両作品とも過去の幽霊譚や都市伝説の類を租借し(この点では原作者のキングの功績が圧倒的だが)、心理的・社会的視点からなどから分析的に解釈し物語を構成している点では一致しているが、キングが自分の一部が投影されたジャックの苦悩やそのジャックの家族の恐怖や愛の視点を重視しているのに対し、キューブリックもジャックや家族の視点は描くものの、そこを取り立てて強調するのではなく、他の要素と共に等価に扱っている点が原作と映画版の違いだということになる。それは特定の登場人物の感情に深入りせず強調して描かないキューブリックの他の作品にもみられる演出法とも共通しており、キューブリックの映画ではステディカムによる撮影や冒頭の空撮シーン、双子の少女などの視覚面や物語や登場人物の心理の解釈も含めた映画の構造そのものが主役となる。これがキングにとっては映画版は「エンジンのないキャデラック」「映画版は冷たい」ということになる。ちなみに有名な双子の少女の幽霊の描写は、キューブリックとも親交のあったダイアン・アーバスの写真からインスパイアされたものともいわれている。

リア・ベルダムのヌード

237号室の浴槽の幽霊女を演じたリアベルダムはスイス出身のモデル。映画出演はこの『シャイニング』一作のみだが、この短い237号室の浴槽シーンによって彼女は映画史に永遠に名を刻むこととなった。

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シャイニング ウィキペディア
シャイニング IMDb
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The Producer Circle Company Peregrine Productions Hawk Films Warner Bros.

スペースサタン(1980/英/89分) 映画の感想

人口爆発による食糧不足解決のため月の基地サターン3で水耕栽培の実験をしている上司と部下であり恋人同士の関係でもあるアダムとアレックスのもとに、ベンソンという男がスペースステーションから殺人を犯し逃亡してくる。ベンソンはアレックスに色目を使い、彼が月基地で作り上げたロボットヘクターは、彼の意志を受け取り殺人衝動とアレックスへの好意を抱く・・・。

閉鎖的な基地の中で、高い知能を持ったロボットが人間に対し反旗を翻し襲ってくるという、『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネンが監督し、カーク・ダグラス、ファラ・フォーセット、ハーヴェイ・カイテルが出演したSF映画。当初『スター・ウォーズ』の美術でアカデミー賞を受賞したジョン・バリーの企画・監督で進んでいた作品だが、トラブって彼が降板しスタンリー・ドーネンが後を引き継いだ。始めて観たときもそうだったが、今観返してもやはり「ダサイ」映画。演出から脚本、配役、美術、特殊効果、音楽と、すべてが「ダサイ」。時期的にも、『スター・ウォーズ』や『エイリアン』が公開された直後に作られたというのが最悪すぎる。『チャーリーズ・エンジェル』への出演で、世界的なトップアイドルとなっていたファラ・フォーセットが「初めて脱いだ」映画として有名だが、それ以上に撮影当時64歳だったカーク・ダグラスのヌードの方ががインパクトがあり、本作における彼のヌードシーンは「映画におけるベストヌードシーン」の一つに数えられている。この映画の失敗は名匠スタンリー・ドーネン監督の演出が、完全に50年代や60年代の映画のそれであることに問題があるように思う。『時計じかけのオレンジ』や『フェイズ IV/戦慄!昆虫パニック』『スター・ウォーズ』『スーパーマン』の美術を担当したジョン・バリーは私にとっては尊敬すべき人物だが、彼が監督していたらまったく別物の映画になっていたに違いない。昔観たときには気づかなかったがハーヴェイ・カイテルが悪役で出ていて、これもミスキャストなのだが、そんな彼は本作に対して「自分のキャリアの中で最底辺」と言ったとか言わなかったとか・・・。映画史的には重要な作品だとは思う。

ファラ・フォーセットのヌード

ファラ・フォーセットは主人公のカーク・ダグラスの助手兼恋人の役(年の差はそれほど気にならない)。『チャーリーズ・エンジェル』に出演し超人気スターであった彼女が、バスタオルから胸を覗かせているシーンがある。これは彼女の映画での初ヌードとの記述もあるが、実際はラクエル・ウェルチ主演のカルト映画『マイラ』でチラリとヌードを見せていた。本作の彼女の演技はお世辞にも良いとは言えないが、着せ替え人形というか、まさにバービー人形のような見た目と雰囲気でめちゃくちゃカワイイ。80年代のトップアイドルが誰かというのは議論の余地があるかもしれないが、70年代は間違いなくこの人だったのだ。

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スペースサタン ウィキペディア
スペースサタン IMDb
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ITC Entertainment ITC Film Distribution

プロムナイト(1980/米/加/93分) 映画の感想

廃墟となった修道院でかくれんぼをしてい11歳のウェンディ、ジュード、ケリー、ニックの四人は、ロビンという女の子を怖がらせ転落死させてしまう。四人はこのことを秘密とするが、そこには実は目撃者がいた。6年後、高校の卒業を控えた彼らはロビンの双子の姉弟であるキムやアレックスらとともにプロムのダンスパーティーの準備をしていたが、何者かに命を狙われ、一人また一人と殺されていく・・・。

『ハロウィン』のヒットにあやかったスラッシャー映画で、『ハロウィン』のジェイミー・リー・カーティスの出演などもあってヒットし続編も作られた、80年代のスラッシャー映画ブームの立役者の一つとなった作品。監督はポール・リンチ。その他の出演者はレスリー・ニールセン、ケイシー・スティーヴンス、マイケル・タフら。マイケルやジェイソンやーなどが登場するスラッシャー映画に比べ、本作の殺人鬼は地味だが、モンスター化した殺人鬼ではなく動機のある殺人鬼が登場するスラッシャー映画としては構成や演出がよく出来ていて、そのお手本のような作品となっている。プロムの夜という高校生にとって特別な日の周辺を舞台にし、青春映画としての趣も持ち、たわいもないホラー映画であることは間違いないが、文化人類学的になど掘り下げようと思えば掘り下げることも出来る深みもある。個人的には、冒頭の子供たちのシーンの、殺人鬼の動機付けや独特のいや~な雰囲気が好き。『裸の銃を持つ男』シリーズなどコメディ役者としての印象の強いレスリー・ニールセンだが、この頃はシリアスな役も多く演じていた。

メアリー・ベス・ルーベンスのヌード

ケリー役のメアリー・ベス・ルーベンスのヌード他、この手のホラー映画らしいお色気シーンがいくつかある。そのなかでも、ヌードにはならないが下着姿を見せるジェイミー・リー・カーティスの存在感が圧倒的。

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プロムナイト ウィキペディア
プロムナイト IMDb
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Simcom Productions Prom Night Productions Astral Films AVCO Embassy Pictures

マニアック(1980/米/88分) 映画の感想

ニューヨーク、女性を殺害してはその頭皮を剥ぎそれをマネキンの頭につける猟奇殺人鬼であるフランク。彼は子供の時に売春婦である母親に虐待され精神を病んでいて、女性に対し屈折した想いを抱き、マネキンに囲まれたアパートで日々異様な独り言をつぶやいていた。売春婦、カップルと殺人を続ける中、彼は写真家のアンナに偶然写真を撮られてしまう。アンナのスタジオを訪れたフランクは彼女に好意を示す一方、アンナの写真のモデルを次の獲物に定め・・・。

『ゴッドファーザー』や『ロッキー』シリーズなどの存在感のある脇役で知られるイタリア系アメリカ人のジョー・スピネルが原案・脚本・主演を務めたシリアルキラーを描いたスプラッターホラー。監督は『マニアック・コップ』のウィリアム・ラスティグ、その他の出演者は、キャロライン・マンロー、トム・サヴィーニ、シャロン・ミッチェルら。出演もしている特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニによる残酷シーンで悪名高い映画。ジョー・スピネル演じるシリアルキラーのキャラ造形に意外と深みがあり、マンハッタンを舞台にその他に登場するキャラやその挿話にも単純だが妙な実在感があり、それに前述したサヴィーニによる「生々しい」殺害シーンや残酷なシーンが加わって、サヴィーニが参加した『13日の金曜日』シリーズなどとは全く違い、リアルな猟奇殺人鬼の「実態」や「内面」にかなり迫ったホラー映画となっており(我々は所詮それを推測するしかできないが)、そこがまた恐いし芸術的でもある。好きか嫌いかではなく、私の高く評価するホラー映画の一つ(もちろんこの映画への一般的な評価は高くはないが)。

アビゲイル・クレイトンのヌード

アビゲイル・クレイトンはキャロライン・マンロー演じる写真家の懇意のモデルの役。入浴シーンでヌードを見せている。ウィリアム・ラスティグはポルノ映画出身の監督で、その伝手かアビゲイル・クレイトンやシャロン・ミッチェルらポルノ女優が脇役で出演している。写真はキャロライン・マンロー。

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Magnum Motion Pictures Inc. Analysis Film Releasing Corporation

ゴースト/血のシャワー(1980/加/英/91分) 映画の感想

アッシュランド船長が指揮する客船が、北大西洋で、巨大な謎の鋼鉄船に衝突され難破する。アッシュランド船長ら含め数人が漂流を余儀なくされるが、そこに例の鋼鉄船が姿を現し、助けを求めて生存者たちは乗船するが、船は無人だった。そして船はまるでそれ自体が生き物ののように生存者たちの命を奪い始める。実は船は幽霊船でその正体はナチスの拷問船だったのだ・・・。

ナチスの幽霊船に乗船し死の恐怖に晒される人々の姿を描いたホラー映画。監督はアルヴィン・ラーコフ。ストーリーの原案は『残虐全裸女収容所』や『コフィー』のジャック・ヒル。出演者はジョージ・ケネディ、リチャード・クレンナ(『ランボー』のトラウトマン大佐)、ニック・マンキューゾ、サリー・アン・ハウズら。ナチスの幽霊船という実際の歴史的悲劇をネタにした題材やシチューエーションがそのビジュアルも含めて良く、それに絡めて直接的な恐怖描写のみならず精神的恐怖の醸成もうまく、地味だがストレートなホラー映画としてかなり出来栄えが良い。最後の航海で難破し幽霊船にとりつかれ狂気にかられるジョージ・ケネディ演じる船長の物語への絡め方もうまい。ジョージ・ケネディは彼の代表作である『エアポート』シリーズを彷彿とさせる配役だが、ここではヒーローではなく悪役で、この頃から「B級」映画への出演も増え始める。

ヴィクトリア・バーゴインのヌード

ヴィクトリア・バーゴインは幽霊船の中で、邦題の元となった血のシャワーを浴びる役。原題は『デスシップ』だが個人的にこの邦題のセンスがかなり好き。

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Bloodstar Films Bloodstar Productions Astral Media

地獄のモーテル(1980/米/101分) 映画の感想

ヴィンセントと妹のアイダは“モーテル・ハロー”というモーテルを経営し、彼らの作る自家製燻製肉は地元の名物だった。しかしその肉は実は人肉で、二人はノドを切った人間たちを生き埋めにした人間農場でそれを〝収穫〟していた。そんなある日、若い娘テリーが二人に捕まる。テリーは燻製肉にされることなく二人に保護されるが、アイダはそれに嫉妬し、二人の弟で保安官のブルースもテリーに恋心を抱き・・・。

『アトランティス7つの海底都市』のケヴィン・コナー監督によるホラーコメディ。ロリー・カルホーン、ナンシー・パーソンズ、ポール・リンク、ニナ・アクセルロッドらが出演。『悪魔のいけにえ』や都市伝説から着想された「人肉ソーセージ」というネタと『サイコ』が結びついた物語のおもしろさ、「人間農場」や豚の仮面、被害者たちのゾンビのような行進などのビジュアルのインパクトや不気味さ、ヒルビリーっぽい人たちを演じた出演者たちの〝迷〟演技、全編に漂うインモラル感とそれと一体になったブラックな笑い、適度なアクション性やお色気、と『地獄のモーテル』にはこの手の低予算のホラー映画として称賛すべき要素が満載で、この時代のジャンルを代表する作品の一つとなっている。ケヴィン・コナー監督は、これ以前にはホラーや恐竜や怪獣が登場するアドベンチャー映画を撮っていた職人監督で、この作品以後はTVドラマの監督の仕事が主になるが、演出力は高い。ラストのオチも良い。

ニナ・アクセルロッドのヌード

キ〇ガイ兄妹に〝保護〟される女の子を演じたニナ・アクセルロッドは、昔TVでよく放映されていた『宇宙からのツタンカーメン』への出演で有名。かなりの美形。入浴シーンで胸を見せるなど典型的なホラー映画のお色気担当。

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United Artists

ニナ・アクセルロッドがヌードになった映画

ニナ・ケザー・アクセルロッド(Nina Kether Axelrod、1955年7月28日 – )はアメリカ合衆国の女優。

1980 地獄のモーテル Motel Hell

フェイドTOブラック(1980/米/102分) 映画の感想

映画会社の倉庫に務めるエリックは大の映画狂で足の不自由な叔母と同居していた。映画の世界にのめり込み社交性に欠け仕事も出来ない彼は上司に疎まれ同僚からは馬鹿にされていた。ある日彼は街でマリリン・モンローそっくりな女の子と出会い幸運にもデートの約束を取り付ける。しかし彼女は約束の時間に遅れてしまう。失意の中現実と夢との境界線が完全に崩れてしまったエリックは、ドラキュラなどの衣装を纏い映画の中の登場人物と自分を同一視し、自分を馬鹿にした者たちを次々に殺し、憧れの「マリリン」を攫う・・・。

疎外感に苛まれた映画狂の男が、マリリン・モンロー似の女に「ふられた」ことで、現実と夢との境界線を崩壊させ、殺人を犯し、破滅していく様を描いたホラー映画。監督はヴァーノン・ジンマーマン。デニス・クリストファー、グウィン・ギルフォード、リンダ・カーリッジ(マリリン・モンロー似の女。『エイリアン from L.A.』など)ら。昔TVで深夜、社交性がなく社会からの疎外感を感じている映画狂(オタク)の男が主人公のこのホラー映画をなんの予備知識もなくたまたま観て、自分も同じような境遇にあると感じた私は、この映画の主人公に妙なしかし強い共感を覚えたことを思い出す。オタク気質の若者が、精神のバランスを崩し現実と夢との境目があいまいとなり、憧れの女の子に歪んだ妄想を抱くという構図は、そうでない人から見ればひどく気持ちの悪いものだが、殺人はともかくとして、実際は一定の確率で起こりうる普遍的な現象ではないかとも思う。監督はこの映画を強い思い入れを込めて作ったようで、オタク主人公の「イタイ」描写、有名映画からの数々の引用、ドラキュラやミイラ男やカウボーイやギャングに扮しての殺人や、憧れの「マリリン」を連れてビルの屋上へと追い詰められていくラストなどの描写には力強さがあり(私のようにこの映画の主人公やテーマに共感する者にとってはだが)、彼の表現したい物は明確に表現されていて素晴らしい(この映画の表現にはある種のスタイリッシュさや幻想性がある。また警察側の描写などこの映画はディティールの部分も妙に細かい)。観る人によっては凡作だろうが、私はかなり好きな作品。

リンダ・カーリッジのヌード

リンダ・カーリッジはオーストラリア出身で、モリリン・モンローに似ていたことからスカウトされ本作で映画デビューを果たした。シャワーシーンでチラリとヌードを見せている。

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フェイドTOブラック ウィキペディア
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Compass International American Cinema Releasing

ポゼッション(1981/仏/西独/124分) 映画の感想

西ベルリン、単身赴任から帰宅したマークは(諜報員?)、妻アンナの様子がおかしいことに気づく。その後二人はたびたび激しく口論し、互いに傷つけあう。どうやらアンナには愛人がいるらしく、マークはその愛人ハイリッヒを訪ねるが、アンナにはまた別の愛人がいるらしく、マークは私立探偵を雇って探らせる。マークとアンナにはボブという息子がいたが、ボブの担任ヘレンはアンナと瓜二つでマークを戸惑わせる。一方で私立探偵はついにアンナの愛人の正体を突き止めるが、それは見にくい怪物の姿をしており・・・。

『私生活のない女』『狂気の愛』のアンジェイ・ズラウスキー監督によるサイコホラー。出演者はサム・ニール、イザベル・アジャーニ、ハインツ・ベネント、マルギット・カルステンセン他。今ではカルト映画としてそれなりに評価されているが、公開当時は知られていてイザベル・アジャーニが、タコみたいな怪物とセックスする映画として話題になっていて、昔私もそっち方面を期待して本作を観賞した。しかし期待した当該のシーンは大したことなく(葛飾北斎の『蛸と海女』との類似性もいわれる)、一方でイザヘル・アジャーニの「大仰」な演技と奇妙奇天烈な展開についていけず何だこれはという感じで見を終えた。期待はずれの映画だったわけだが、「変な」映画としてだけは強く印象には残った(私の好きなタイプの「変な」映画ではなかった)。当時の観客にとっても私と同じような感想だったと思うが、時を経て本作は再評価されるようになっており、観返してみるとなるほどカルト映画といわれるだけのことはある映画だなと再認識した。以下ネタバレとなるが、本作は妻が得体のしれない怪物と交わって、夫の分身を生み出す映画で、奇妙奇天烈な展開だが、それを侵略SFとしても、ドッペルゲンガーもののサイコホラーとしても、宗教を介した人間の心の善と悪の物語としても、西ドイツを舞台にした東西冷戦のパラノイアとしても、当時離婚問題に悩まされていた監督の心理を投影したした映画としても解釈できるようになっており、そのどの視点から見ても物語が破綻することがないのが素晴らしく、二役を演じたイザヘル・アジャーニの演技(地下で踊り狂い何かを「出産」するシーンが有名)、クールなサム・ニール、変な愛人役の男、畳みかけるラストなど、見所・カルト映画的要素も多く、単純によく出来ている。まぁ人は選ぶ作品であることは間違いないが。

イザベル・アジャーニのヌード

狂気に憑りつかれ怪物と交わる人妻とその子供の担任の教師の二役を演じるイザベル・アジャーニの熱演は、癖はかなり強いが称賛もの(本作の演技で彼女はカンヌ映画祭で主演女優賞を受賞)。先に述べたように怪物とのセックスシーン含め、エロ方面ではたいしたことはない。本作以降私にとってイザベル・アジャーニは目を引ん剝く女優さんといった印象。辛辣なことを述べたが、私はイザベル・アジャーニには好感を持っており、本作の他にも『テナント/恐怖を借りた男』『ザ・ドライバー』『ノスフェラトゥ』『悪魔のような女』と、ジャンル映画界隈との親和性も高くその点でも高評価(サム・ニールも)。

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Oliane Productions Marianne Productions Soma Film Produktion Gaumont Distribution

狼男アメリカン(1981/米/98分) 映画の感想

イギリス田舎町を旅行中の二人のアメリカ人の青年ディビッドとジャックは、満月の夜荒野で巨大な獣に襲われる。ジャックは命を失い、ディビッドも傷を負いロンドンの病院に収容される。ディビッドは看護婦のアレックスに看病される。病院を退院後ディビッドは彼女のアパートに招かれ二人は結ばれる。しかしそんなディビッドの前に死んだはずのジャックが傷だらけの姿で現れ、このままだとディビッドは次の満月の夜に狼男に変身すると忠告する・・・。

『ブルース・ブラザース 』『眠れぬ夜のために』のジョン・ランディス監督による、どこかクスっと笑え、かといってコメディとしては怖すぎる、ユナバーサルなどの古典的狼男映画のフォーマツトを換骨奪胎して蘇らせた傑作ホラー。ディビッド役はデヴィッド・ノートン、ジャック役は『アフター・アワーズ』のグリフィン・ダン。看護婦のアレックス役はジェニー・アガター。この映画を語る上で一番に上げられるのはやはり特殊メイクアップの巨匠リック・ベイカーによる狼男の変身シーンだろう。仕掛けなどがバレやすい明るい照明の下で、狼男の全身が骨格ごと変化するシーンは観る者に衝撃を与えた。今見返してもこのシーンは素晴らしいが、ただそれは古臭さを感じさせない特殊メイクの技術もさることながら、編集の巧みさや、役者の演技、音楽の効果的な使用などが混然一体となって効果的に働いているために実現した。特殊メイクだけが突出した映画ではないのだ。諸事情で狼男の全身が見せられない事や、多少尻切れトンボ感のある物語、そして笑いと恐怖や現実と幻想が混然一体となったシークエンスなどは、欠点ともなり余韻を感じさせ想像を膨らませる余地ともなって、本作に独特の味わいを与えている(批評家の評価は分かれている)。『狼男アメリカン』には青春映画としての趣もあり、表面的ではないが、友情、恋、家族愛が端々に描かれていたり、狼男が性も含めた若さゆえの衝動の暗喩となっていたり、主人公がユダヤ人であることが異国(欧州)での彼の孤独や悪夢の形となって現れたりと、一人の青年の人生を短い時間の中に凝縮していて、そのうえで狼男映画としての定番のラストが涙を誘う。ジョン・ランディスが『戦略大作戦』のアシスタントでユーゴスラビアに行った際にロマの人々(いわゆるジプシー)と遭遇し、彼らの儀式的パフォーマンスを見たことが着想となって本作の物語は生まれた。そういう経緯もあってか、本作にはアメリカ人が感じる広い意味でのヨーロッパへのエキゾチシズムが、やや歪んだ形で表れているのも興味深い。

Blue moon-By: Bobby Vinton

Van Morrison – Moondance

Creedence Clearwater Revival: Bad Moon Rising

The Marcels – Blue Moon

ジェニー・アガターのヌード

目覚めたら看護婦の恰好をしたジェニー・アガターがいた。看病してくれた。恋に落ちた。セックスした。という夢のようなシチュエーションがサイコーなのだが、それも計算の上で、これは、その後主人公に起こる悲劇との間に落差を生み出し物語上効果的に働いている。デヴィッド・ノートンとのラブシーンでヌードを見せる。演技よりも役よりも(彼女のそれがだめだと言っているわけではむろんないが)、映画の中の裸で記憶される役者さん、そういう役者人生も、それはそれで称賛に値するのだ。ラストの彼女の姿が切なくていい。

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PolyGram Pictures Lycanthrope Films Limited Universal Pictures Barber International Films Producers Sales Organization

殺人魚フライングキラー(1982/米/伊/94分) 映画の感想

カリブ海のリゾート地で、観光客やダイバーが何者かに惨殺されるという事件が発生する。ダイビング講師で海洋生物学の知識もあるアンが事件の調査をする中、彼女はタイラーという男からそれが軍によって開発された凶悪な殺人魚であると告げられる。彼女はホテルのマネージャーに殺人魚の脅威を警告するが聞き入れられず、ホテルは空を飛ぶ殺人魚に襲撃される・・・。

ジェームズ・キャメロンが『ターミネーター』を制作する前に撮ったジョー・ダンテ監督の『ピラニア』の続編扱いの映画。トリシア・オニール、スティーブ・マラチャック、ランス・ヘンリクセンらが出演。私は『ピラニア』が好きで、その続編という事でこの作品がTVで放映された時はかなりワクワクしたものだが、観賞してみてそのあまりに残念な内容にがっかりしたという想い出がある。全体的にこの直後に『ターミーネータ』を監督するとは思えないぬるい演出で、エロシーンの挿入も露骨でバランスが悪く、「殺人魚フライングキラー」の造形や特撮にも特筆するものはない。ただ観返してみると一部の海中撮影のシーンなどに後の『アビス』や『タイタニック』を彷彿とさせるアングルや演出などがあり「おっ」とさせられる。海中にいる「殺人魚フライングキラー」を撃退するクライマックスも映画全体の中でここだけかなり冴えた演出をみせている。

キャロル・デイヴィス他のヌード

本作におけるエロシーンは多いとも少ないともいえないが、そのサービスシーンがあまりに露骨で悪目立ちしているのもこの映画の特徴。冒頭の水中にもぐったダイバーがシュノーケル外して素っ裸でセックスを始めるシーンなど失笑物。

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殺人魚フライングキラー ウィキペディア
殺人魚フライングキラー IMDb
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Chako Film Company Brouwersgracht Investments Saturn International Pictures Columbia Pictures

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