死と処女(1994/米/英/仏/103分) 映画の感想
かつて独裁政権が暴威を振るい反体制派を拷問していた南米某国、ポーリナの夫で弁護士のジェラルドは政府の前政権の悪行を調査する委員長に選ばれる。そんな矢先、嵐で電話も不通のなか、ジェラルドの車のパンク事故が原因で二人の住む岬の一軒家にミランダという男が訪れる。医師と名乗るその男は見た目は温厚そうな紳士だった。しかしポリーナはすぐに彼がかつて前政権に捕まった彼女を激しく拷問し暴行した男と気づく。彼を拘束し即席の「裁判」を始めるポリーナ、それに対しミランダは人違いだと訴えるが・・・。
独裁政権によって逮捕され拷問・レ〇プされた女が、その犯人と思しき男と偶然再会し彼を拘束し「私刑」を課そうとするミステリードラマ。原作はアリエル・ドーフマンの戯曲・監督はロマン・ポランスキー。主な出演者はシガーニー・ウィーヴァー、ベン・キングズレー、スチュアート・ウィルソン。ベン・キングズレー演じる医師が真犯人かどうか最後まで分からないなか、朝までという限られた時間のなか、嵐で孤絶した一軒家で繰り広げられる「裁判」という名の復讐を描いた密室劇。弁護士の夫を介しての即席裁判が、独裁国家における蛮行を非難し支配するものとされる者の立場の逆転の皮肉と恐怖を描くと同時に法律に寄らない私的制裁の持つ恐ろしさを描いていたり、残虐な行為をただ非難するだけではなくそれを行う側の心理とされる側の心理両方の側から描き考察していたりするなど脚本がまず素晴らしい。シガーニー・ウィーヴァー演じる女が狂気に捉われているように感じられる一方、ベン・キングズレー演じる医師が紳士的に描かれ「本当に彼が犯人なのか?」と見る者に思わせるといった、脚本と相まったその辺りの演技や演出も見事で、映画のラストまで真相がわからぬまま三人の緊迫したやりとりが続きハラハラさせられる。初めて本作を観たときとくに前半がもたもたしていて退屈な映画に感じられ、それは再観賞しても変わらなかったが、本作は最初から見せ場が続くような映画ではなく、前半の退屈に感じられる演出も計算済みで、最後まで観ればこの映画のトータルとしての高い完成度が分かる(その点では最初から最後まで観客をハラハラドキドキさせるヒッチコックの作品などとは違う)。
シガニー・ウィーバーのヌード
容姿からも演じる役からも、女性を男性の欲望の対象とした「男性のまなざし」からは遠い女優であるといっていいシガニー・ウィーバー演じる心に深い傷を持つ女が、色男で紳士然としたベン・キングスレーを縛り上げ、男性の女性に対する暴力を告発し、彼女に借りのある弁護士の夫がそんな彼女を制御できずにあたふたする様が、生々しくて重く胃もたれしそうになる。洗面所のシーンやスチュアート・ウィルソンとのラブシーンでヌードを見せている。
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Capitol Films Channel Four Films Fine Line Features Alliance Films Pyramide Distribution

マップ・オブ・ザ・ワールド(1999/米/125分) 映画の感想
牧場で暮らし、地元の学校で教師の職に就いているアリスは、親友のテレサの娘が彼女が少し目をはらしていた隙に湖で溺死したことに罪悪感覚え悩んでいた。テレサはアリスを擁護するも、周囲の彼女に対する目は厳しかった。さらには彼女は児童虐待の罪で生徒の親からいわれのない告発をされ逮捕されてしまい・・・。
児童虐待の罪で告訴された女性の苦悩とその周囲の人々の交流を描いた人間ドラマ。監督はスコット・エリオット。出演者はシガニー・ウィーバー、ジュリアン・ムーア、クロエ・セヴィニー、ルイーズ・フレッチャー他。いわれのない罪をきせられることは間違いないが主人公も必ずしも完全な善人ではないところ、彼女を告発する母親や彼女を助ける周囲の人々も人間臭く描かれているところなどが良く、小説を原作にしているからか、その辺り人間ドラマとしの厚みがある。私が感心したのは主人公が逮捕され刑務所に収容されてからのシークエンスで、初めは「子供殺し」と罵られ仲間外れにされいじめられていた彼女が強い精神力でそれに立ち向かい、それぞれに悩みを抱える女受刑者たちの信頼を勝ち得ていくのを、シガニー・ウィーバーが『エイリアン』シリーズか?!というぐらいの熱演でみせているところで、シガニー・ウィーバーという女優の実力を再認識させられた。
シガニー・ウィーバーのヌード
「男性のまなざし」とは遠い女優と言いながら、『エイリアン』シリーズや『ゴーストバスターズ』などでシガニー・ウィーバーには男性に「媚びた」セクシーなシーンも演じており、「シリアス」な映画である『死と処女』や本作などではヌードも見せている。
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Kennedy/Marshall Overseas Filmgroup First Look Studios USA Films
シガニー・ウィーバーがヌードになった映画
シガニー・ウィーバー(Sigourney Weaver, 本名: Susan Alexandra Weaver, 1949年10月8日 – )はアメリカ合衆国の女優。
1985 シガニー・ウィーバーの大発掘 Une femme ou deux
1986 ハーフムーン・ストリート Half Moon Street
1995 死と処女 Death and the Maiden
1999 マップ・オブ・ザ・ワールド A Map of the World