- 悪魔のはらわた(1973/仏/伊/95分) 映画の感想
- ダリラ・ディ・ラザーロのヌード
- アマゾンの腹裂き族(1977/伊/94分) 映画の感想
- ラウラ・ジェムサー他のヌード
- サンゲリア(1979/伊/91分) 映画の感想
- オルガ・カルラトスのヌード
- ゾンビ’99(1979/伊/90分) 映画の感想
- ラウラ・ジェムサーのヌード
- 食人族(1980/伊/95分) 映画の感想
- フランチェスカ・チアルディのヌード
- 人間解剖島 ドクター・ブッチャー(1980/伊/84分) 映画の感想
- アレクサンドラ・コールのヌード
- ヘル・オブ・ザ・リビングデッド(1980/伊/99分) 映画の感想
- マージット・イヴリン・ニュートンのヌード
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- アンナ・ファルチのヌード
- ソドムの市(1975/伊/仏/117分) 映画の感想
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悪魔のはらわた(1973/仏/伊/95分) 映画の感想
フランケンシュタイン男爵は死体から男女の人造人間を創り出し、交配させ、完璧な人類を生み出そうと狂気の研究を続けていた。また彼は妹と結婚し、臓器に性的興奮を感じる変質者でもあった。高所来なニコラスという男に目を付けた男爵は、買春宿を出てきた〝彼〟を襲って首を切断し、人造人間の頭として挿げ替える。しかし人造人間は一向に性的興奮を示さない。実は男爵が持ち帰ったのはニコラスではなく、彼の友人で同性愛者の男の首だったのだ・・・。
アンディ・ウォーホルと組んでいくつかの〝挑戦的〟〝実験的〟映画を製作した(私はこの界隈にあまり詳しくないが)ポール・モリセイ監督による、エロ・グロ映画の代名詞のような作品。ちなみに本作はアンディ・ウォーホル製作ということが強調されがちだが、実際のところ彼は作品の制作にはほとんど関わっていないのが実情らしい。出演はジョー・ダレッサンドロ(ポール・モリセイ映画の常連)、モニーク・ヴァン・ヴーレン、ウド・キア、アルノ・ジェギング、ダリラ・ディ・ラザーロら。イタリア映画の大物カルロ・ポンティがプロデューサーを務めていて、ウォーホル一派のアバンギャルドとイタリアのゲテモノ映画が融合したような作品となっており、同性愛、近親相姦、臓器へのパラフィリア、殺人、死体損壊といったものが、エロ・グロを交えて描かれている。お話自体は陳腐だが、出ている俳優が美男美女で、画面も美しく、グロシーンの特殊効果の出来も良い。この辺りイタリア映画界のスタッフ・キャストの力量の高さが窺え、80年代のイタリア製ホラー映画が好きな私としては、ジャーロ映画やモンド映画、マカロニウェスタンとともに、本作は、当時の内容はともあれそこそこクオリティの高かったイタリア製ホラー映画の隆盛に繋がる作品の一つに思われる。マジモンの変態映画だが、抒情的・退廃的なラストなど良い部分もある作品。
ダリラ・ディ・ラザーロのヌード
女人造人間役のダリラ・ディ・ラザーロは、登場シーンのほとんどが上半身裸の姿。上半身に醜い縫合痕があり、そこをウド・キア演じるフランケンシュタインに抉られ犯される。凄い美人だが、ジョー・ダレッサンドロ、ウド・キア、モニーク・ヴァン・ヴーレン(彼女も大胆なヌードを見せている)と、彼女以外も美男美女ぞろいでその点は一見の価値がある。
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Compagnia Cinematografica Champion Gold Film Bryanston Distributing Company

アマゾンの腹裂き族(1977/伊/94分) 映画の感想
ジャーナリストのエマニュエルは、レスター教授とともに、アマゾンに、失われていたと思われた食人部族の調査に出向く。現地でイザベルやアンジェル、ダイヤモンドを積んだ墜落した飛行機を探すドナルドとマギーが加わり、一行はアマゾンの奥地に向かうが、食人部族の監視下に置かれ、彼らによって次々と仲間を殺される。イザベルも捕まり、部族の生贄とされそうになるなか、エマニュエルは彼女を救い出そうと策を練る・・・。
シルビア・クリステルの「エマニエル」シリーズの便乗ソフトポルノである『愛のエマニエル』をキワモノ・ゲテモノ・便乗商法上等のイタリア人映画監督ジョー・ダマトが〝引き継いだ〟「ブラックエマニエルシリーズ」の一本で、『愛のエマニエル』のローラ・ジェムサーが主演を務める。劇場公開時のタイトルは『猟奇変態地獄』。ルッジェロ・デオダート監督の『カニバル/世界最後の人喰い族』のヒットを受けて「ブラックエマニエルシリーズ」と「食人族映画」を結びつけた作品で、前半はエロ多めで、後半はエロと残酷シーンのてんこ盛りとなるが、実はジョー・ダマト監督としては「ブラックエマニエルシリーズ」としても「食人族」映画としても本作は割とおとなしめな部類の作品でもある(まあ一般基準からすると相当過激ですが)。ラストのエマニエルがイザベルを救うシーンがなんか「変」でそこは印象に残る。
ラウラ・ジェムサー他のヌード
「ブラックエマニエルシリーズ」で名を売ったセクスプロイテーション映画界における美神ともいえるインドネシア出身のラウラ・ジェムサー。出演している映画のほとんどがゲテモノ・エロ映画だが、「ブラックエマニエルシリーズ」の役どころのように自立していて性にも奔放で開放的な白人に負けない有色人種のキャラクターは再評価に値するようにも思う(たぶん)。基本は「エマニエルシリーズ」なので、主人公は常に発情していて、彼女のレズも含めたエロシーンやヌードシーンはてんこ盛り。『シスター・インモラル/背徳の賛美歌』でラウラ・ジェムサーと共演したモニカ・ザンチや、ニエベス・ナバロらもヌードを見せる。
アマゾンの腹裂き族 ウィキペディア
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Fulvia Cinematografica Gico Cinematografica Flora Film Variety Distribution

サンゲリア(1979/伊/91分) 映画の感想
ニュー・ヨークに流れついたボートに乗っていた腐乱した怪人に警察官が殺される。事件を取材する記者ピーターは船の持ち主の娘アンと彼女の父がいるカリブ海に浮かぶ島に向う。しかしそこでは蘇った死者が人肉を求めて生者を襲うという異常事態が起こっていた。二人は島で異常事態に対処するメナード医師らと合流するが、彼らにもゾンビたちの脅威は迫り・・・。
ロメロの『ゾンビ』と並ぶゾンビ映画の代表作。監督は『ビヨンド』などその後ロメロのゾンビ映画のパターンから外れた独特のゾンビ映画を製作するルチオ・フルチ。出演者はイアン・マカロック、ティサ・ファロー、リチャード・ジョンソン、オルガ・カルラトスら。モダン・ゾンビ映画の王道パターンをヴードゥ・ゾンビ発祥の地であるカリブ海の島を舞台に展開するという、ヴードゥとモダン両方の要素を兼ね備えたハイブリッドにして、究極のゾンビ映画。ゾンビを使っていかに観客を怖がらせ、不快な思いにするのかのみを追求したゾンビの気色の悪いビジュアルや残酷シーンの数々は圧巻。腐乱したゾンビが登場する冒頭から異様な緊張感が漂い、途中ちょっとユルイ展開もあるものの、終盤の腐ったゾンビが墓場から蘇ってくる辺りからクライマックスのゾンビとの攻防までのこの世のものとは思えないおどろおどろしさは驚嘆に値する。音楽もサイコー。 南の島を舞台にしていることもあって全編に漂う何か熱病に侵されたような空気は、悪い夢を見ているような感覚を観る者に生じさせ、どこにも逃げ場のない八方ふさがりの恐怖の醸成も素晴らしい。ロメロの『ゾンビ』に比べテーマ性などはゼロだが、ニュー・ヨークもゾンビに侵略されてしまったという取って付けたようなラストも加え、極上の終末観を醸しだすことに本作は図らずも成功してしまっていて、終末映画としても極上(私自身はロメロのゾンビ映画の方をはるかに評価してはいるが)。
オルガ・カルラトスのヌード
オルガ・カルラトス異常事態に対処する医師ナードの妻役。もの凄い美人。彼女のシャワーシーンから彼女がゾンビに木の尖った先端で目を突きさされるシーンは、見せ場の多い本作にあっても『サンゲリア』という映画を象徴するものとなっていて、スプラッター系のホラー映画全般を見回してもアイコニックな場面となっている。
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Variety Film Variety Distribution

ゾンビ’99(1979/伊/90分) 映画の感想
カリブ某国、政府からとある島を譲り受けた実業家のジョンは、ラリーという船乗りを雇い現地で知り合ったフィオナと共に島に向かう。そこで彼らは、そこに暮らすシャーマンとその娘からここが禁断の島であると警告を受けるが、無視する。ラリーはフィオナに色目を使い、シャーマンの娘とも体を交える。一方で禁忌を破ったジョンはゾンビたちに襲われていた・・・。
1979年製作となっているのにビデオ発売に合わせて『ゾンビ99』というふざけた邦題が付いたことで有名な限りなくポルノに近いゾンビ映画。クズ映画としても有名。監督はジョー・ダマト。ダマトはロケ地となったサントドミンゴで、同時にスタッフ・キャストが被った映画『Porno Holocaust』,『Paradiso blu』, 『Sesso nero』 『Orgasmo nero』, 『Hard sensation』を監督している。禁断の島に足を踏み入れた男女がゾンビに襲われてどうたらこうたら…といったストーリーはあってないようなもので、エロの間にたまーにゾンビが登場するエログロというよりエロエロちょっぴりグロな映画。実際のところポルノでより過激なXXXバージョンの存在が確認できる。「黒いエマニュエル」として一部では有名なローラ・ジェムサーがここでもおしげもなくその肢体を披露し、レズあり、フ○ラあり、海辺でのセックスありのサービスシーンをみせる。フィオナ役のダース・フナリも露出過多でキレイ。ゾンビ映画として観れば怒りも買うが、ゾンビもありのポルノとして観ればそれなりに楽しめる。海に、船に、島に、美女に、セックスに、ゾンビに…で、これはこれでいいんじゃないですか?!

ラウラ・ジェムサーのヌード
島の謎の女役のラウラ・ジェムサーは映画の後半に登場し、前述したようなエロシーンを見せている。個人的には『Porno Holocaust』らにも出演し、本番シーン(『Porno Holocaust』)も見せている褐色肌のルシア・ラミレス(Lucia Ramirez)がかなり良い。
ゾンビ’99 ウィキペディア
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Variety Distribution

食人族(1980/伊/95分) 映画の感想
南米アマゾンの奥地に人食い部族の取材にいった男女四人のアメリカ人のヤラセ・ドキュメンタリー映画のクルーが行方不明になる。モンロー教授は捜索隊を結成し行方不明のクルーが接触したと思われるアマゾンのジャングルの奥地の部族の部落に到達する。そこで教授が発見したのは、彼らの無残な骸骨と彼らが撮影し残したフィルムだった。そのフィルムの中に収められていたのは食人族の部落で暴虐な振る舞いをする白人クルーの姿と、それが部族の怒りをかい、反撃され、犯され、殺され、喰われる彼らの姿だった・・・。
ウンベルト・レンツィ監督の『怪奇!魔境の裸族』にはじまるとされるイタリア産の「食人族」映画ジャンルにおける金字塔。監督はルッジェロ・デオダートで、彼は本作の前にその原型となる作品『カニバル/世界最後の人喰い族』を手掛けていた。日本では映画の中の出来事が実際に起こったことであるかのように宣伝され(当時から話半分ではあったが)、『E・T』が公開されたのと同じ時期(1983)に劇場公開されヒットした。昔はこういった映画が祭りなんかの見世物小屋感覚でふつうに公開されていた。私も映画館の前に全裸の女性が串刺しにされたスチールが飾られていたのを幼心に覚えている。賛否両論別れる映画というかほとんどの視聴者にとって不快極まりないゲテモノ映画である本作であるが、エログロかつエクストリームな映画が好きで、映画の本質は見世物であることにあり(それがすべてとは言わない)、暴力性のなかに人間の本質の一部分が表現されると考える私のような映画ファンにとっては最高の映画。話は単純なのだが、いろいろな要素がつまった入れ子のような構造になった映画であり、そこには似非ドキュメンタリーであるヤコペッティのモンド映画的手法や、この当時のイタリア映画に見られた激しいパッションから生み出される際限のない過激な表現、ヤコペッティのモンド映画にもみられたとってつけたような説教臭さといった様々な要素が見られ、深読みしようとすれば深読みできる作品。映画前半の行方不明のクルーを探すくだりまでは普通の映画の作りだが、発見された彼らが残したフィルムというのが、16ミリで撮られた非常にリアルな映像になっていて、このあたり、にわかに嘘と本当の境界線が怪しくなってくる。白人クルーはヤラセ・ドキュメンタリー専門なのだが、彼らはとにかく残酷で、動物は虐待し殺す、原住民の少女は犯す、食人族の部族と対立する他部族との抗争を装って、部族の集落に自らが放火し原住民を焼き殺しそれを撮影する。この映画自体が、作り手も見る側も実際に存在する原住民(〝土人〟)に対する偏見からなりたっているのにもかかわらず、白人たちのあまりの横暴ぶりにいつしか食人族の側に見ている方も感情移入してしまっている。それこそどちらが本当に残虐なのかということになっていく。そしてクライマックスの食人族の反撃と、大殺戮のシーンに、見る側は目を背けつつもカタルシスを感じ、見世物感覚で見始めたはずなのに羞恥心も含んだミョーなうしろめたい変な気分になってしまう(これはヤコペッティの映画などにもいえる)。この映画が公開されたとき、確かにそれぐらいリアルで説得力があったわけで(今見返してもかなりリアル)、後にその手法は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』などにも引きつかれるが、監督の似非ドキュメンタリーを突き詰めたうえでのこの演出力は評価に値するだろう(本物の原住民カメの解体シーンなど嘘と偽物の混ぜ方もうまい)。リアルな映像に対し、本国イタリアでは本当にスタッフが人を殺したのではないかとして裁判にかけられたという噂がたった(この辺りの経緯はWikipediaとIMDbとで記述の違いがある)。 本国その他でそういう経緯がありながら日本では本当の出来事だと宣伝され続け、いまでもそれを信じている人もいる。真の残虐性とはなにか、偏見とはなにか、人間性の暗闇、覗き見趣味、嘘と本当、メディアとヤラセ…。この映画が入れ子のような構造になっているとったが、そういった様々な要素がこの映画の中にはつまっている。作り手自身がどこまで深く考えて撮ったかはともかく、この映画からはテーマやメッセージ、映画製作それ自体についてなど様々なことを汲みとることができる。そういう意味で本作は名作だと思う。あくまで映画界の裏街道においてのことであり、万人にはおすすめはしないが。私は本作をビデオで観てDVDのアルティメット版というのを購入して観たが、DVD版は画質はデジタルで修正されていて非常に美しく、一時間ほどのドキュメンタリーや抱負な関連写真、サウンドトラックもまるまる収められていて非常に良かった。ヘア無修正でそのほかのボカシが薄いのも良く、よりこの映画の凄みが伝わってきた。ドキュメンタリーなどを観て感心したことは、撮影スタッフが本当に当時未開に近かったジャングルにのりこんで撮影にのぞんだことで、原住民を含めそこに映し出された美しい自然の姿はまぎれもない真実なのだ。またこの映画の特筆すべきものとして後はリズ・オルトラーニによる一度聴いたら忘れることは難しい美しくも不気味な旋律も付け加えておきたい。最後に、スタッフは動物は殺したがちゃんとその後食べたそうで(笑)、また原住民はいっさい虐待していないそうである。DVDにはわきあいあいと撮影に望むスタッフや原住民の姿が収められていてほっとさせられる・・・。
フランチェスカ・チアルディのヌード
フランチェスカ・チアルディはヤラセ・ドキュメンタリーの一人を演じる。イタリア産のホラー映画にありがちなゴージャスな美女ではなく、彼女の普通っぽさも映画の「リアリテイ」を高めるのに貢献している。生々しいセックスシーン、原住民に捕まり犯され殺されるシーンなどででヌードを見せている。私はかなりこの映画における彼女に好感を持っていて、彼女が凄惨に嬲り殺されるシーンは映画表現における一つの極致だと思っている。
食人族 ウィキペディア
食人族 IMDb
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食人族 Amazonプライム
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F.D. Cinematografica United Artists Europa

人間解剖島 ドクター・ブッチャー(1980/伊/84分) 映画の感想
ニュー・ヨークで猟奇事件が起こり、その事件の謎を解くカギがあるとみられる東南アジアのとある島にピーター博士と、事件に巻き込まれた昔島に住んでいたローリをはじめとする調査隊の一行が向かう。しかしそこには食人族の部落が存在し生者と死者に日夜実験を繰り返し改造人間(ゾンビ)を生み出すマッドサイエンティストが暮らす危険な島だった・・・。
ルチオ・フルチの『サンゲリア』のイアン・マカロックが出演する映画で、「IMDb」によれば『サンゲリア』とともに同時に撮影されたとあるが、真偽はともかく両作品は内容的にもシチュエーション的にも似ている部分が多い。監督はマリノ・ジロラーミ。出演者はイアン・マカロック、アレクサンドラ・コール、ドナルド・オブライエン、シェリー・ブキャナン、ピーター・オニールら。「食人族vsゾンビ!」。粗筋を聞いただけでもむちゃな映画だが、冒頭から残酷描写のオンパレードで、その合間に必然性のないお色気シーンが挟まれるという形のサービス精神一杯の展開で、最後まで飽きずに観てしまう。 人里はなれた場所で狂った博士が日夜狂気の研究に没頭しているというシチュエーションが私のツボをついてくる作品で、舞台が南海の島というのも『サンゲリア』なんかもそうだが、旅行気分を味わえるという感じで結構楽しい。残酷シーン、お色気シーンはホラー映画に付き物だが、その両方ともが一定の水準を保っているというのもイタリア映画のいいところである。まぁ超残酷で、そこそこエロという観客の求めているものに応えてくれるステキな映画であることは間違いない。ゾンビは奴隷型のヴードゥ系で人は食べない。その代わり食人族の皆さんがバクバク食べている。ゾンビのメイクはいろいろなバリエーションもあって出来はいい。特殊メイクは人体実験のシーンや人食いシーンなど全体的に水準高いように思う。『サンゲリア』と似たところのある作品と述べたが、この時代の南米や南国を舞台にしたイタリア製ホラー映画は、スタッフ・キャストが被っていたりして、作品の内容やシチュエーションのみならず、画像の質感やカメラアングル、特殊メイクの出来や、物語の語り口における構成など非常に似通っている。
アレクサンドラ・コールのヌード
アレクサンドラ・コールはルチオ・フルチの『ザ・リッパー』にも出演している女優さん。すごくキレイ。お約束のヌードシーンやセクシシーンを見せてくれるが、少しネタバレとなるが、ラスト近く食人族の部族に攫われ全裸にひん剥かれて祭壇に捧げられるシーンからのクライマックスの展開が、少し前半に説明はあるものの唐突感が凄くて、その直前のゾンビ対食人族の対決と相まって、なんか頭がクラクラしてくる。
人間解剖島 ドクター・ブッチャー ウィキペディア
人間解剖島 ドクター・ブッチャー IMDb
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Flora Film Fulvia Film Gico Cinematografica Variety Distribution

ヘル・オブ・ザ・リビングデッド(1980/伊/99分) 映画の感想
ニューギニアのいわくつきの科学工場からガスがもれ職員は全滅しゾンビ化する。現地を調査中フランス人ジャーナリストリアとカメラマンのピエールは、同じく事件の処理でやってきた特殊部隊チームと出会い、ともにゾンビの襲撃を退けながら、原因究明のために化学工場に向うが、その道中でも次から次へとゾンビに襲われ1人また1人と命を落としていく・・・。
数多く存在するロメロの『ゾンビ』便乗映画の一つ。監督はブルーノ・マッティ。出演者はマージット・イヴリン・ニュートン、フランコ・ギャロファロ、ラン・カレイ、バート・オニール、ギャビー・レノムら。音楽も『ゾンビ』のゴブリン。主人公たちが特殊部隊員で前半の展開もそっくり。特殊部隊がテロリストを制圧するために建物に突入する『ゾンビ』をパクった冒頭部分は、同じゴブリンのサントラを使用しながら緊張感ゼロ。なんというか大晦日のかくし芸大会でネタにされてしまった名作映画という感じのしょぼい演出で『ゾンビ』のファンには不愉快極まりない。ただ、まねているのはこの辺りまでで、後は『ゾンビ』とは似ても似つかない映画の大半を示すモンド映画的描写ばかりが印象的な、最後の最後までユルユルな、味のありすぎるゾンビ映画に仕上がっている。まともな映画ファンのほとんどが観ればハラの立つこと間違いなしの映画であるが、しかしそれでも私は結構楽しめた。ゾンビ映画に無理やりヤコペッティばりの気色の悪いモンド映画的シーンを盛り込み、そこに必然性のないお色気シーンを加えて、イタリア映画人らしい職人技でコッテコッテに料理してみせるその節操のなさとバイタリティは、ここでしか味わえない珍味を観客に提示してみせる。80年代イタリア製ホラー映画らしい後味の悪さも加えて食あたりの可能性はかなり高いが、一度は味わってみても悪くはないかも?!。ちなみにモンド映画のフッテージは日本人「ドキュメンタリー映画」監督の井出昭による『残酷人喰大陸』からとられているらしい。
マージット・イヴリン・ニュートンのヌード
マージット・イヴリン・ニュートンはフランス人ジャーナリストリア役。原住民に溶け込むために民族衣装に着替えるという(ゆるい)シーンで胸を見せている。ラストの絶叫シーンがなんか凄い。
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Beatrice Film Film Dara

デモンズ’95(1994/伊/103分) 映画の感想
夜な夜な蘇るゾンビの処理に明け暮れる墓守人フランチェスコ。彼は孤独な若者で思索に耽り、友人と言えば知的障害のある助手のナギだけ。ある日彼は墓地を訪れた若き未亡人の女に恋をし関係を結ぶが、彼女が死んだと勘違いしてゾンビとして殺してしまい、そこからフランチェスコの「現実感」は狂い始めてしまう。一方ナギは死んだ市長の娘のゾンビに恋をしてしまい・・・。
『アクエリアス』(良作)の監督であるミケーレ・ソアヴィによる異色のゾンビ映画。出演者はルパート・エヴェレット、フランソワ・ハジー・ラザロ、アンナ・ファルチら。墓場から蘇るゾンビというゾンビ映画の設定をかりて、様々な人間模様をカリカチュアライズしながらときにコミカルにときにペーソスをまじえながら描く一種の青春映画で、『デモンズ95』の舞台である現実とも幻想ともつかない世界は、そのまま人生の不合理や移ろいやすさを表している。とくに、ゾンビの処理に終われる毎日、そこから抜け出せないもどかしさ、精神薄弱の相棒との腐れ縁、実らない恋…、などといった主人公の墓守人が置かれている状況は、ある時期の若者一般が置かれている状況の暗喩となっている。一般の映画ファンならバカにしそうな設定の中に深みのあるテーマが示唆される本作は、ゾンビ映画といよりも幻想文学に近い映画であり、ホラー映画、ゾンビ映画、フアンタジー映画に造詣のあるものにとってはたまらない映画である。まあ堅苦しいことは抜きにして、ゾンビもたっぷり出てくるし、お色気も、お笑いも、ペーソスも、残酷描写もそこそこありで、娯楽映画として、ホラー映画として十分に楽しめる良作である。
アンナ・ファルチのヌード
アンナ・ファルチは主人公が恋をする若き未亡人他二役で本作に出演している。グラマラスな女優さんで凄い美人。二人が納骨堂や墓場で見せるラブシーンはシチュエーションも相まってホラー映画のベストエロシーンの一つになっていると思う。
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ソドムの市(1975/伊/仏/117分) 映画の感想
1944年北イタリア、ファシストが支配するサロ共和国で、公爵、司教、行政長官、大統領たちが、若い男女を自らの性的な満足や拷問目的で誘拐し大邸宅に監禁する。少年少女はたちはつねに全裸を強要され、遊女たちの卑猥な幕間話の後に権力者たちは少年少女たちに恥辱を与え、強姦し、お尻の穴を弄び、性的奉仕をさせ、糞を喰わせる。逃げ出した者は容赦なく殺されるなか、四人の残虐行為はどんどんエスカレートしていき・・・。
当時著名な映画監督だったピエル・パオロ・パゾリーニ監督による、マルキ・ド・サドの「ソドム百二十日あるいは淫蕩学校」を舞台を第二次世界大戦中のイタリアに移し替えた「エロ・グロ」映画。映画の内容とパゾリーニが本作に出演していた少年によって映画公開前に撲殺されたという事件によってスキャンダルな話題を振りまいたことは映画史に残る出来事となった。本作は賛否別れる作品で、その映画の中で繰り広げられる性的描写や残酷描写が顰蹙を買う一方、ファシズムへの批判や権力一般への批判消費社会への批判などを表しているとか残虐性や嗜虐性といった人間性の本質の一部を描いているとかと深く考察されてもいる。後者の本作が真面目に論評されている部分は私も初見時に多少は感じて一部「おっ」と思わせる部分もあったが、私の本作への感想はモンド映画を始めとする似非ドキュメンタリー、ナチス収容所刑ものの映画、レイ〇リベンジ映画、グランギニョル的見世物映画、スナッフフィルムモドキのホラー映画などと同列のエクストリームなものを追求していた70年代のエクスプロイテーション映画の一つに「過ぎない」というもの。当時はいかに刺激的な映像を生み出すかしのぎを削っていて、ナチス収容所刑ものなどは残虐なアイデアの大喜利映画のようなものになっているが、本作も私にはその範疇。本作の特異なところは監督の男色とお尻の穴とスカトロジーへの偏愛で、女性も概ねそれが目当てにされているところ。女の人の裸もたくさん出てくるが女性への視線はこういう映画としてはかなり冷めている。正直あまり私の好きな映画ではないが、シンメトリーが印象的な映画の構図、手を掲げ唯一反旗を翻した少年の描写、章仕立ての映画の構成、情け容赦のない物語と描写、ラストの残虐ショーを権力者の双眼鏡から描写するところなど、いいシーンや表現・演出はたくさんある。
レナータ・モア他のヌード
本作に出演した俳優は権力者側も拉致される少年・少女の側も大半がプロの俳優ではない。少年・少女役の出演者は裸になることを前提にしていて、皆美男・美女で全裸の彼らが徹底的にいじめられる部分はいい悪いは別として被虐的な美が感じられる。一方で権力者側の人間は対照的に変人丸出し醜く、この辺りのキャスティングや演出もこの映画の良いところ。レナータ・モアは母親を殺された少女の役で、劇中でも目立っていじめられている。美人。
ソドムの市 ウィキペディア
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